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相続が発生した場合の流れと相続手続きのスケジュール

大切なご家族が亡くなってしまったときには、悲しみから何も手につかないということも多いと思います。

しかし、被相続人が亡くなり相続が発生した場合には、様々な手続きを行わなければなりません。
必要な手続きのなかには、相続開始から7日から14日以内に行わなければならないというものもありますので、すぐに動き出さなければなりません。

期限を経過してから手続きをしようとしても、ペナルティを受けたり、手続き自体を受け付けてくれなかったりすることもあります。

そのため、相続が開始した場合には、全体の流れとスケジュールを把握して効率よく進めていくことが重要となります。

今回は、相続が発生した場合の流れと相続手続きのスケジュールについてわかりやすく解説します。

1.相続手続き全体の流れとスケジュール

大切なご家族が亡くなった場合には、相続人はさまざまな手続きを行わなければなりません。相続手続き全体の流れやスケジュールを把握しておかなければ、どのタイミングで何をしたらよいかわからず、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

被相続人が死亡後の具体的な手続きについては、後述しますが、まずは、大まかな流れを以下の表で確認しておきましょう。

①遺産分割の手続きとスケジュール

手続きの内容 期限の目安
遺言書の確認 期限はないものの、相続放棄または限定承認の判断に必要となり、相続開始から3か月以内に行うことが望ましい
相続人の調査
相続財産調査
相続放棄または限定承認の手続き 自己のために相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内
遺産分割協議 期限はないものの速やかに行うことが望ましい
相続登記および名義変更手続き

②遺産分割以外の手続きとスケジュール

手続きの内容 期限の目安
死亡届の提出 死亡の事実を知った日から7日以内
国民年金の受給停止手続き 被相続人が死亡した日から14日以内
世帯主変更届の提出
健康保険の手続き
介護保険資格の喪失届
厚生年金の受給停止手続き 被相続人が死亡した日から10日以内
相続税の申告 被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内
遺留分侵害額請求 相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内

2.遺産分割にあたっての手続きと流れ

遺産分割手続き自体には期限はありませんが、相続放棄または限定承認をするためには、3か月以内に家庭裁判所に申述をしなければなりません。

そのため、相続が開始した場合には、まずは相続放棄または限定承認の判断に向けて進めていくと良いでしょう。

(1) 遺言書の確認

遺産分割にあたっては、遺言書の有無によってその後の手続きの進め方が大きく異なってきます。

遺言書の確認を怠って遺産分割協議を成立させたとしても、原則として遺言書が優先しますので、当該遺産分割協議は無効になります。

そのため、相続が開始した場合には、まずは、被相続人の遺言書が存在しているかどうかを確認しましょう。

被相続人が公正証書遺言を作成していた場合には、公証役場で申請をすることで、遺言書の有無を検索することができます。

他方、自筆証書遺言の場合には、生前に家族に遺言書の存在と保管場所を知らせていなければ探すのが難しいことが多いです。貴重品とともに保管されていることが多いので、金庫や通帳・印鑑のある引き出しなどを探してみると見つかるかもしれません。

その結果、自筆証書遺言が発見された場合には、家庭裁判所に検認の申立てをしなければなりません。

(2) 相続人の調査

遺言書が存在しない場合には、相続人が話し合って遺産の分割方法を決めなければなりません。

遺産分割協議にあたっては、相続人全員が参加して行わなければなりません。遺産分割協議に際して相続人の一人でも欠いてしまうと、当該遺産分割協議は無効となり、再度やり直さなければならなくなります。
そのため、有効な遺産分割協議を行う前提として、誰が相続人にあたるのかという相続人調査を行う必要があります。

相続人の調査にあたっては、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本を取得して、被相続人の相続人となり得る人を調べます。

(3) 相続財産の調査

遺産分割協議を行うためには、遺産分割の対象となる相続財産を調べなければなりません。

相続財産の調査に漏れがあったとしても既に成立した遺産分割協議が無効になることは原則としてありませんが、漏れていた遺産を対象として再度遺産分割協議を行わなければならないという手間が生じますので、漏れのないように正確に相続財産調査を行うことが必要です。

相続財産には、現金、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。

マイナスの財産がプラスの財産を上回っているようであれば、相続放棄や限定承認を選択することになりますので、マイナスの財産の調査も忘れずに行うようにしましょう。

(4) 相続放棄または限定承認の検討

マイナスの財産が多い場合には、相続放棄または限定承認を検討することになります。

相続放棄とは、マイナスの財産だけでなくプラスの財産も含むすべての遺産を放棄して、初めから相続人でなかったことにする手続きです。

一方、限定承認とは、相続人が相続によって得たプラスの財産の範囲内でのみ、被相続人の債務や遺贈を弁済するという手続きです。

相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続をしないものであるのに対して、限定承認は、相続自体はするものの借金などがあったとしても相続した財産の範囲内でしか責任を負わない、という違いがあります。
また、相続放棄は、相続人が単独で行うことができる手続きであるのに対して、限定承認は、相続人全員の同意が必要になるという違いがあります。

相続放棄と限定承認の期限は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内です。

裁判所に申立てをすることによって期限の延長も認められていますので、3か月以内に相続財産調査が終わらず、相続放棄や限定承認をするかどうかの判断が付かないとい場合には、期限の延長手続きを行うとよいでしょう。

相続放棄 [参考記事] 相続放棄とは|メリット・デメリットから注意点、手続き方法を解説

(5) 遺産分割協議

相続人の調査と相続財産の調査が終わったら、相続人全員が集まって遺産分割協議を進めていくことになります。
遺産分割協議では、調査の結果明らかとなった相続財産をどのように評価して、どのように分割するのかを決めていきます。

最終的に相続人全員が納得できる分割方法が見出せた場合には、遺産分割協議書に各相続人が署名押印をして、遺産分割協議が成立します。

遺産分割方法について相続人同士で争いになってしまい、話し合いで解決することができないという場合には、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをして、調停や審判で解決を図ることになります。

isanbunkatukyougi [参考記事] 遺産分割協議の進め方は?注意点や期限はある?

(6) 相続登記および名義変更手続き

相続財産に不動産が含まれている場合には、遺産分割の結果に従って、被相続人から相続人に名義を変更する必要があります。これを「相続登記」といいます。

相続登記については特に期限はありませんが、相続登記をせずに放置していると、相続が進むに連れて権利関係が複雑になり、将来の相続でトラブルが生じる可能性がありますので、早めに手続きをするようにしましょう。

また、被相続人の預貯金などがある場合には、金融機関で払戻しの手続きを進めていくことになります。

その際には、戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書などの書類が必要になりますので、あらかじめ金融機関に確認をしてから手続きにするようにしましょう。

[参考記事] 相続登記とは|概要・必要性・手続きの流れ

3.遺産分割以外の手続きとスケジュール

相続人がやらなければならない手続きは、相続手続き以外にもさまざまなものがあります。
以下では、手続きの期限別に必要となる手続きについて説明します。

(1) 死亡後7日以内にする手続き

被相続人が死亡した場合には、死亡の事実を知った日から7日以内に死亡届を提出する必要があります。

死亡届は、死亡診断書と同一の用紙となっており、医師から死亡診断書の交付を受けた後に死亡届の部分に必要事項を記載して、被相続人の本籍地、死亡地または届出人の所在地の市区町村役場に提出します。

被相続人の死亡後は火葬を行わなければならず、火葬を行うためには、市区町村長の許可が必要になります。
一般的には、死亡届の提出と同時に火葬許可申請書を提出して、許可を受けることになります。

(2) 死亡後14日以内にする手続き

被相続人が死亡後14日以内にする手続きとしては、以下のものがあります。

①年金の受給停止手続き

亡くなった人が国民年金を受給していた場合には、亡くなった日から14日以内に国民年金の受給停止手続きを行わなければなりません。

また、亡くなった方が本来受け取るはずであった年金をまだもらっていないという場合には、未支給年金として遺族が請求することができます。未支給年金については5年以内に請求すればよいですが、年金受給停止手続きをする際に一緒に請求してしまうのがよいでしょう。

なお、厚生年金の場合には、死亡後10日以内に受給停止手続きをしなければなりません。国民年金に比べ厚生年金は、受給停止までの期限が短いので注意しましょう。

②世帯主変更届の提出

亡くなった方が世帯主であった場合には、亡くなった日から14日以内に世帯主変更届(住民異動届)を提出しなければなりません。

ただし、残された世帯員が1人の場合など次の世帯主が誰になるか明白な場合には届出は不要となります。

③健康保険の資格喪失手続き

国民健康保険に加入する被保険者が亡くなった場合には、亡くなった日から14日以内に国民健康保険被保険者証の返還と国民健康保険資格喪失届を提出しなければなりません。

④介護保険の資格喪失手続き

介護保険に加入する被保険者が亡くなった場合には、亡くなった日から14日以内に介護保険被保険者証の返還と介護保険資格喪失届を提出しなければなりません。払いすぎた費用がある場合には、後日返還されます。

(3) 死亡後10か月以内にする手続き

遺産分割とも関係する手続きになりますが、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に税務署に対して相続税の申告を行わなければなりません。

相続税の申告期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税といったペナルティが課されてしまいます。

なお、相続税の申告は、相続財産が「3000万円+法定相続人の数×600万円」という相続税の基礎控除の範囲内であれば、相続税はかからないため、相続税申告は不要となります。

4.相続手続きの流れや期限に不安がある方は弁護士に相談

相続が開始した場合には、遺産分割手続きだけでなく、公的な届出などのさまざまな手続きを行わなければなりません。

初めて相続を経験するという人がほとんどですので、家族が亡くなった後にどのような手続きを行ってよいかが分からないという方も多いでしょう。

そのような場合には、弁護士に相談をしてみると良いでしょう。弁護士への相談時に被相続人の具体的な生活状況を伝えることによって、今後どのような手続きが必要になるのかについて適切にアドバイスをしてくれます。

また、葬儀や法要に追われて遺産分割手続きを行う時間的な余裕がないという場合でも、弁護士に依頼をすることで、相続人や相続財の産調査から遺産分割協議まで、弁護士が相続人の代理人として手続きを進めていくことができます。

相続の手続きの中には、相続放棄や限定承認のように法律上定められた期間内に申立てをしなければ、それ以降の申立ては認められないものもあります。

思わぬ不利益を被ることのないように、相続手続きの流れや期限に不安がある方は、お早めに泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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