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遺産分割

相続財産の範囲|含まれるもの・含まれないもの・相続税との関係

遺産分割を行う際や、相続税の計算を行う際などには、「相続財産の範囲」が重要なポイントになります。

各場面で少しずつ、相続財産の範囲に関する考え方は異なるため、状況に合わせて正確に検討を行ってください。
もし複雑でわからない部分があれば、弁護士へのご相談をお勧めいたします。

この記事では、相続財産の範囲について、遺産分割・相続分計算・遺留分計算・相続税計算の各観点から解説します。

1.相続財産の4つの意義

「相続財産」とは、一般的には「相続の対象となる財産」という意味合いがあります。

しかし、もう少し法的に精緻化すると、「相続財産」には以下の4つの意義があると理解すべきです。

(1) 遺産分割の対象となる

被相続人が残した財産であって、遺言により承継人が定められていないものについては、遺産分割協議により承継人を定めなければなりません。

この遺産分割協議の対象となる財産(権利義務)を、「相続財産」と呼ぶことがあります。

この場合、遺言によって遺贈された財産は対象外となる点で、「相続財産」をもっとも狭く捉えた考え方と言えるでしょう。

(2) 相続分計算の基礎となる

法定相続人が有する相続の権利(=相続分)の金額を決めるためには、「相続財産」の金額が基礎として用いられます。

例えば配偶者と子2人がいるケースでは、配偶者は「相続財産の2分の1」、子は「相続財産の4分の1ずつ」といった具合です。

相続分計算の基礎となる「相続財産」には、遺産分割の対象となる財産だけでなく、遺贈や一部の生前贈与(特別受益)も含まれます。

(3) 遺留分計算の基礎となる

兄弟姉妹以外の法定相続人には、相続の最低保障額である「遺留分」が認められています(民法1042条1項)。

この遺留分の計算にも、相続財産の金額が基礎として用いられます。

遺留分計算における相続財産の範囲は、相続分計算の場合とほぼ同じですが、特別受益の算入期間に制限が設けられている点が特徴的です(後述)。

(4) 相続税計算の基礎となる

各相続人の課される相続税を計算する際にも、相続財産の金額が参照されます。

相続税を計算する際には、まず相続財産の総額を用いて、いったん相続税の総額を計算します。
その後、相続税の総額を、実際の相続分に応じて各相続人に割り当てます。

相続税計算の基礎となる相続財産には、税制上の政策的な観点から、遺産分割などの場面とは異なるものが一部含まれます。

2.相続分計算における相続財産の範囲

「相続財産」との範囲は、それが問題となる場面ごとに異なりますが、一般的には相続分計算における「相続財産」がもっとも基本となる概念と理解されます。

以下では、具体的にどのような財産が相続分計算における相続財産に含まれるのか、逆にどのような財産は含まれないのかについて、例を挙げて見ていきましょう。

(1) 原則「被相続人が死亡時に有した権利義務」

民法896条本文では、相続財産の範囲を、相続開始時点で「被相続人の財産に属した一切の権利義務」と定義しています。
この考え方が、相続財産の範囲を考えるうえでの大原則です。

つまり、被相続人が死亡時に有していた権利義務であれば、基本的には内容・種類を問わず、すべて相続財産に含まれることになります。

以下は、相続財産に含まれる財産の一例です。

  • 現金
  • 預貯金
  • 不動産
  • 家財道具
  • 株式などの有価証券
  • 債権(貸金、売掛金など)
  • 借金
  • 買掛金
  • 保証債務 など

(2) 例外的に相続財産に含まれない権利義務

上記の大原則の例外として、被相続人が死亡時に有していた権利義務であっても相続財産に含まれないものがあります。
具体的には、「一身専属的な権利義務」と「祭祀財産」については、相続財産に含まれません。

被相続人の一身専属的な権利義務

被相続人の一身専属的な権利義務は、その権利の性質上、別人である相続人に帰属させることができないため、相続財産から除外されます(民法896条但し書き)。

例えば以下の債務は、一身専属的な債務として、相続財産に含まれません。

身元保証債務・包括的信用保証債務、極度額の定めがない根保証債務の未発生部分など

祭祀財産

祖先を祀るために用いられる系譜・祭具・墳墓については、いわゆる「祭祀財産」として、相続財産に含まれないと解されています(民法897条1項)。

祭祀財産は、地域や家族ごとの慣習や宗教観に沿って承継されるべきものと考えられるからです。

祭祀財産に当たるものの例としては、以下の財産が挙げられます。

墓地・墓碑・墓石・神棚・神体・神具・仏壇・仏具・位牌・仏像・仏具など

[参考記事] お墓や仏壇は誰が相続する?通常の相続との違いや注意点

(3) 相続人固有の権利義務の扱い

相続財産に含まれるのは、あくまでも被相続人が死亡時に有していた財産のみです。
これに対して、被相続人が死亡したことをきっかけに相続人が取得する固有の権利義務は、相続財産に含まれません。

たとえば以下の金銭は、相続人(受取人)固有の権利として支給されるものなので、相続財産の対象外となります。

  • 被相続人にかけられていた死亡保険金(生命保険金)
  • 被相続人の職場の弔慰金規程などに基づいて支給される弔慰金 など
[参考記事] 生命保険金(死亡保険金)は相続で遺産分割の対象にならない?

3.相続税のかかる財産・かからない財産

相続税の課税を考える際にも、相続財産の範囲は重要な問題となります。
以下では相続税の観点から、相続税がかかる財産・かからない財産の区別について、基本的な考え方を解説します。

(1) 相続・遺贈によって取得した財産

相続税は、「相続または遺贈」によって財産を取得した者に対して課税されるのが大原則です(相続税法1条の3)。

なお、現金・預貯金などは額面どおりの金額が税額算定の基礎となりますが、不動産など価値変動がある資産については、相続開始時点の相続税評価額が算定の基礎に含まれます。

(2) みなし相続財産として課税される場合

相続税は、相続人の担税力(税金を支払う能力)に応じて、相続の経済的な実質に注目して課税されます。

そのため、通常の相続財産に加えて、相続人が相続をきっかけとして被相続人から経済的利益を受けた場合には、その経済的利益を「みなし相続財産」として税額算定の基礎に含めることとされています(相続税法3条1項)。

[参考記事] みなし相続財産とは?|相続放棄をしても相続税の課税対象!

(3) 一部の財産は非課税

相続または遺贈によって取得した財産や、本来であればみなし相続財産となる財産であっても、一部の財産については税務上の政策的配慮から非課税とされています(相続税法12条)。

主な相続税の非課税財産は、以下のとおりです。

  • 墓所、霊びょう、祭具など(祭祀財産)
  • 身体障害者が地方公共団体から給付金を受ける権利
  • 一定額以下の生命保険金
  • 一定額以下の退職手当金 など

(4) 相続時精算課税を選択している場合

生前贈与に対しては、本来は相続税ではなく、贈与税が課税されます。
ただし、生前贈与に対する課税方式として「相続時精算課税」を選択している場合には、生前贈与に対して相続税が課される場合があります。

相続時精算課税とは、生前贈与を総額2500万円まで非課税とする代わりに、生前贈与の総額を相続税額算定の基礎に含める課税方式です。

本来であれば贈与の段階で課税されるはずだったものを相続の段階まで課税が後ろ倒しになる点で、課税を繰り延べる効果が発生します。

通常の「暦年課税」(生前贈与に毎年贈与税が課される課税方式)と、相続時精算課税のどちらが有利かはケースバイケースなので、税理士などにアドバイスを求めると良いでしょう。

4.まとめ

相続財産の範囲に関する考え方は、法律と税務で異なる部分があるので、それぞれ弁護士・税理士に確認して対応することをお勧めいたします。

弁護士にご相談いただければ、遺産分割・相続分計算・遺留分計算のそれぞれに応じて、相続財産の範囲の確定に関するアドバイスをご提供いたします。
また、提携先の税理士を通じて、相続税の計算方法や申告手続きについてもワンストップでご依頼いただくことが可能です。

相続に関するお悩みをお持ちの方は、お早めに弁護士までご相談ください。

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