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相続に関する税金

相続税の申告期限はいつ?延長はできないの?

相続税の申告は死亡後10ヶ月以内に行わなければなりません。しかし、相続開始後は、葬儀・法事など多忙ですので、10ヶ月という時間はあっという間に経過してしまいます。

今回の記事では「相続税の申告期限」について、特殊なケースや、申告期限に間に合わない場合の対応などを含めて説明します。

1.相続税の申告期限はいつ?

相続税の申告期限は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。

例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。
この申告期限(例の場合は、11月6日)が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。

なお、相続税の納税も、上記の申告期限までに行うことになっています。

2.相続税の申告期限の特殊例

相続税の申告期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」で、基本的に、この定義は変わりません。

しかし、「被相続人が死亡したことを知った日」については、特殊なケースがいくつかあります。

ここでは、特殊な例について、「被相続人が死亡したことを知った日」をどのように決めるかという観点で説明します。

(1) 相続人以外の者が遺贈により財産を取得する場合

遺贈を受ける者は「被相続人から遺贈があったと知った日」が起点の日になり、その翌日から10ヶ月以内が申告期限となります。

相続人でない者が遺贈を受ける場合は、被相続人が死亡したことは知っていても、自分が遺贈を受けることを知らないことが多く、相続人などから伝えられて知ることになるためです。

(2) 孤独死などで死亡日が特定できない場合

孤独死などで亡くなった場合は、死亡日が特定できないことが多く、戸籍上の死亡日が「令和2年3月3日から5日間」や「令和2年3月頃死亡」となっていることがあります。

このように死亡日が特定できない場合は、その戸籍上に記載されている最終日を被相続人の死亡日とします。

例えば、「令和2年3月3日から5日間」と記載されている場合は令和2年3月8日、「令和2年3月頃死亡」と記載されている場合は令和2年3月31日となります。

(3) 相続人廃除の場合

相続人廃除とは、被相続人が、相続人から著しい非行を受けたときに、被相続人が家庭裁判所に請求してその相続人の相続権を奪うことです。

相続人廃除がなされると、当該者は相続権を奪われますが、その子どもが代襲相続人になったり、当該者に子どもがいなかったりする場合は、第2順位、第3順と相続権が移ります。

このように、新たに相続人となった者の相続税申告期限は、廃除の裁判が確定したことを知った日の翌日から10ヶ月以内となります。

[参考記事] 相続廃除とは?制度概要・相続欠格との違い・裁判例などを解説

(4) 認知の裁判の確定により相続人となった者の場合

当該の者が裁判の確定を知った日が起点の日になり、その翌日から10か月以内が申告期限となります。

(5) 停止条件付遺贈によって財産を取得した場合

停止条件付遺贈とは、遺言書に遺贈の条件がつけられたもので、その条件が成就されたときに効力が発生する遺贈のことです。
例えば、「長女が結婚をしたら、土地を遺贈する」というような遺贈です。

停止条件付遺贈では、その条件が成就した日が起点の日になり、その翌日から10か月以内が申告期限となります。

(6) 失踪宣告により死亡したとみなされた者の相続

失踪で生死が明らかでない場合は、「失踪宣告に関する審判の確定があった日」が死亡日となります。

失踪で生死が明らかでない場合は、家族などからの請求により、家庭裁判所で失踪の宣告を行います。
失踪の宣告を受けた者は、7年の期間が満了した時に審判の確定があり、死亡したものとみなされます。

失踪の場合は、7年目で当然のように死亡したと認められるのではなく、審判の確定があって初めて死亡が確定しますので、注意が必要です。

(7) 数次相続が発生した場合

数次相続とは、2回以上の相続が続けて発生することです。

例えば、父親が亡くなって、相続人が配偶者の母親と長男の2人とします。
父親の相続税申告前に母親もなくなってしまうようなケースが数次相続です。

数次相続 [参考記事] 数次相続とは?相続分の考え方と遺産分割協議書の書き方

この場合、父親の相続税申告期限は、長男については原則通りに父親の死後10ヶ月内です。しかし、父親の相続についての母親の申告期限は、母親の相続の申告期限(母親の死後10ヶ月以内)となります。

(8) 遺留分侵害額請求があった場合

遺留分侵害額請求があったとしても、相続税の申告期限は延長されません。

遺留分の請求を受けた場合は、まず、申告期限までに、遺留分侵害額請求がなかったものとして、遺言の通りに相続する前提で相続税申告書を提出し、納税する必要があります。

その後、遺留分侵害額請求に基づく金銭の額が確定したら、その額が確定したことを知った日の翌日から4カ月以内に、更正の請求(払い過ぎた税金を戻してもらう手続き)を行います。

一方、遺留分権利者は、遺留分侵害額請求に基づく金銭の額が確定した後に相続税の申告を行うことになりますが、当初の申告期限を過ぎていたとしても、この場合は無申告加算税や延滞税はかかりません。

(9) 既に生まれたものとみなされる胎児の場合

胎児の相続権については、「相続については、既に生まれたものとみなす」と定められており、胎児も相続権を持っています。

胎児の場合は、胎児の法定代理人が胎児の出生を知った日が起点の日になり、その翌日から10か月以内が申告期限となります。

(10) 相続開始の事実を理解できない幼児の場合

その幼児の法定代理人が相続の開始があったことを知った日が起点の日になり、その翌日から10か月以内が申告期限となります。

3.相続税の申告期限に延長はない

原則、相続税の申告期限の延長はできません。

一方で、下記のような理由で、相続税の申告期限に間に合わないことが起こり得ます。

  • 財産調査、目録の作成に時間がかかる
  • 遺産分割協議がまとまらない

上記のような場合においても申告期限の延長はなく、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告する必要があります。

前項「2.相続税の申告期限の特殊例」で見てきましたように、個々の当該者については、申告期限が違うケースもありますが、それらのケースでも「各々の事象が起こった日を起点として10ヶ月以内」が相続税の申告期限となります。

ただし、当該者ではない相続人についても、次の理由などで「相続人の取得する財産額の変動」があった場合、税務署に申請することにより最大2ヶ月間の期限延長が可能となる場合があります。

  • 認知等で相続人の異動があった
  • 遺留分侵害額請求があった
  • 遺贈に係る遺言書が見つかった
  • 遺贈の放棄があった
  • 相続人となる胎児が生まれた

また、自然災害やコロナ等疫病の場合、国の指示で、個別に申告期間が延長になる場合もあります。

4.相続税の申告期限に間に合わないときのペナルティ

相続税の申告期限に間に合わないときは、次のペナルティが課されますので注意しましょう。

(1) 特例が使えない

相続税を減税できるいくつかの特例がありますが、申告期限内に申請しないと使えない特例があります。

例えば、自宅を所有している方がよく使う「小規模宅地等の特例」は、期限内に申告しないと使えなくなり、この特例の恩恵を受けられなくなります。

その結果、納税額が大幅に増えてしまいます。

(2) 追徴課税

申告期限を一日でも過ぎてしまったら、罰則として、追徴課税が課されます。

相続税の追徴課税は、下記のものがあります。

延滞税

申告期間内に納付ができず、納付が遅れた場合に課されるペナルティです。
納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税が課されます。

延滞税の課税割合は期間によって異なっています。
この記事では、令和3年1月1日以後の期間の課税割合を説明しますが、それ以前については、次の国税庁のWEBページを参照ください。

【参考】No.9250 延滞税について|国税庁

①納付期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで

令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年2.5%です。

②納付期限の翌日から2月を経過した日以後

令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年8.8%です。

無申告加算税

正当な理由がなく、相続税の申告・納付を期限までに行わなかった場合、無申告加算税が課税されます。

①税務調査通知前に自主的に申告した場合

納税額の5%が課税されます。

②税務調査通知後、税務調査前に申告した場合

納税額の10%が課税されます。
納税額が50万円を超える場合、超える部分については15%が課税されます。

③税務調査後に申告した場合

納税額の15%が課税されます。
納税額が50万円を超える場合、超える部分については20%が課税されます。

過少申告加算税

期限内に行った申告で相続税額が不足していた場合、過少申告加算税が課税されます。

ただし、税務調査通知前に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課税されません。

①税務調査の通知後、税務調査前に修正申告した場合

追加納税額の5%が課税されます。
ただし、追加納税額が「当初の申告額」もしくは「50万円」のいずれか多い方の金額を超える場合は、その超える部分の金額に対しては10%が課税されます。

②税務調査後に修正申告した場合

追加納税額の10%が課税されます。
ただし、追加納税額が「当初の申告額」もしくは「50万円」のいずれか多い方の金額を超える場合は、その超える部分の金額に対しては15%が課税されます。

重加算税

故意に相続財産を仮装・隠ぺいした場合など、特に悪質と認められる場合には高い税率の重加算税が課税されます

①無申告の場合

無申告加算税に代わって、重加算税40%が課税されます。

②過少申告の場合

過少申告加算税に代わって、重加算税35%が課税されます。

5.期限内に間に合わない場合の対処法

相続税の申告期限に間に合わないと、節税のための特例が使えなかったり、追徴課税されてしまったりします。

ここでは、期限内に申告が間に合わない場合の対処方法について説明します。

(1) 概算で一旦申告・納税

財産調査が間に合わず、相続財産額の確定ができなかった場合は、申告期限内に、一旦概算で申告を行い、相続税を納付しておきましょう。

申告期限までに申告を行わないと追徴課税されてしまいますので、まずは、概算でもいいので申告期限に間に合わせることを優先する必要があります。

多めに払った相続税は、相続財産額確定後に更生の請求を行うことにより、税金が還付されます。

(2)「申告期限後3年以内の分割見込書」提出

相続税申告期限に遺産分割協議が終わらない場合は、まず、相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、納税を済ませます。

その後、申告期限から3年以内に遺産分割を行い、納めた税額が不足する場合は修正申告を行い、納めた税額が多すぎた場合は更正の請求を行います。

「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することにより、配偶者控除や小規模宅地等の特例などが使えますので、該当する方は、忘れずに提出しましょう。

6.まとめ

相続税の申告・納付は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」と定められています。

10ヶ月と聞くと長くて余裕があるように思えますが、親族がお亡くなりになった後は何かと多忙で、10ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。

特に、財産の在処を家族に知らせずに亡くなってしまうと、財産調査に時間がかかってしまいます。
近年は銀行通帳のオンライン化やオンライントレード等、把握しづらい財産が増えていますので注意が必要です。

時間的に余裕を持って、計画的に相続手続きを行うことが大事です。

実際に相続が発生してお困りの方はもちろんのこと、自分自身の相続について準備しておきたい方についても、相続問題についての経験豊富な泉総合法律事務所に是非一度ご相談ください。

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