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遺産分割

遺産分割協議書とは|作成の目的と条文の書き方をサンプル付きで解説

遺産分割協議書

相続人間での遺産分割協議が合意に至った場合には、その合意内容を「遺産分割協議書」にまとめておくことが大切です。
遺産分割協議書を作成することで、その後の紛争防止や、相続手続きの円滑化に繋がります。

遺産分割協議書において何を規定すべきかについては、遺産の内容によって変わってきます。

この記事では、遺産分割協議書の概要・役割や、条文の書き方などについて解説します。
条文については一般的な文例を紹介していますので、実際に遺産分割協議書を作成する際の参考にしてください。

1.遺産分割協議書とは何か?

遺産分割協議書とは、相続人間における遺産分割協議の合意内容を記載した法的な書面をいいます。

遺言書がない場合や、遺言書によって配分が指定されなかった遺産がある場合には、基本的に相続人全員の遺産分割協議によって、誰が各遺産を相続するかを決定します(民法907条1項)。

遺産分割協議書に合意内容を記載し、相続人全員が署名・押印した場合、記載内容のとおりに遺産分割協議が成立したことの証拠となり、その内容に相続人全員が拘束されるという効果があります。

2.遺産分割協議書を作成する目的は?

遺産分割協議書を作成するのは、主に以下の2つの目的によります。

(1) 遺産分割の内容を明確化して紛争を防止する

遺産分割協議書を作成しないと、遺産分割協議でどのような内容の合意が成立したかについて、客観的な証拠が存在しないことになってしまいます。

遺産分割協議書において、文字の形で合意内容を記載し、それを相続人全員が確認のうえ署名・押印することによって、何が合意されたかを明確化することができます。

万が一遺産分割の内容について後で揉め事が発生した場合であっても、遺産分割協議書が客観的な証拠として機能し、誰の言い分が正しいかを公平な視点から判断することができるので、紛争防止に繋がります。

(2) 不動産・預貯金・有価証券などの名義変更に必要となる

相続では、遺産の内容によって、法務局における不動産の所有権移転登記手続きや、銀行・証券会社における預貯金・有価証券口座の相続手続きなどを行う必要があります。

この場合相続人は、法務局・銀行・証券会社などに対して、遺産分割の内容を客観的な証拠によって明らかにしなければなりません。

遺産分割協議によって相続の内容が決定された場合には、原則として遺産分割協議書の提出が必須となります。
そのため、各種の名義変更手続きを円滑に進める観点からも、遺産分割協議書を作成することが重要なのです。

3.遺産分割協議書に盛り込んでおくべき事項・サンプル文例集

遺産分割協議書に規定しておくべき条文として、一般的なものを文例付きで紹介します。
実際に規定すべき内容は遺産分割協議における合意内容によって異なりますので、弁護士に相談して実態に合った記載にアレンジしてください。

(1) 被相続人と相続人が誰であるかを明示する

遺産分割協議の具体的な内容を記載する前に、その前提として、相続に関する当事者を冒頭で明記しておく必要があります。

まず、誰についての相続であるかを明示するために、被相続人に関する情報を記載します。
さらに、遺産分割協議書の当事者として合意内容に拘束される人が誰であるかを明示するために、相続人全員の名前を列挙します。

【被相続人・相続人に関する記載例】
被相続人○○(〇年〇月〇日死亡)の相続につき、相続人△△(○年○月○日生)、相続人□□(○年○月○日生)・・・は、次のとおり遺産分割を行うことに合意する。

(2) 遺産分割の対象となる遺産を列挙する|特定が十分かどうかに注意

遺産分割の対象となる遺産が多数あり、これを明示するためには、遺産目録を利用するのが便利です。

【遺産目録の記載例】

1. 不動産(土地)
・・・

2. 不動産(建物)
・・・

3. 預貯金
・・・

遺産目録に記載する財産は、他の財産と区別できる程度に特定した形で記載する必要があります。
以下ではよくある遺産の種類ごとに、特定のために必要となる記載事項を見てみましょう。

土地の場合

土地の特定に必要な事項は、所在・地番・地目・地積です。
登記簿上の記載内容をそのまま転記します。

【土地の記載例】
所在:東京都〇〇区〇〇町〇丁目
地番:〇番地〇
地目:宅地
地積:〇〇平方メートル

建物の場合

建物の特定に必要な事項は、所在・家屋番号・種類・構造・床面積です。
土地と同じく、登記簿上の記載内容をそのまま転記します。

【建物の記載例】
所在:東京都〇〇区〇〇町〇丁目
家屋番号:〇番〇
種類:居宅
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造〇階建
床面積:1階〇平方メートル、2階・・・

預貯金の場合

預金の特定に必要な事項は、金融機関名・支店名・預金種類・口座番号・金額です。

ゆうちょ銀行の貯金の特定に必要な事項は、金融機関名・預金種別・記号番号・金額ですが、他の金融機関同様に、店名や口座番号が振られている場合は、その記載でも構いません。

【預貯金の記載例】

金融機関名:〇〇銀行
支店名:〇〇支店
預金種別:普通
口座番号:〇〇〇〇〇〇〇
金額:〇〇〇万円

金融機関名:ゆうちょ銀行
預金種別:普通
記号番号:〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇
金額:〇〇〇万円

有価証券の場合

有価証券にはさまざまな種類があり、その内容によって特定に必要な事項は異なります。
一例として、株式の場合には会社名・株式の種類・株式数を記載します。

【株式の記載例】
会社名:〇〇株式会社
株式の種類:普通株式
株式数:〇〇株

自動車の場合

自動車の特定に必要な事項は、車名・車両番号(ナンバープレートの番号)・車台番号です。
車検証に記載がありますので、その内容をそのまま転記します。

【自動車の記載例】
車名:トヨタ
車両番号:世田谷〇〇-い〇〇〇
車台番号:〇〇〇

(3) 誰がどの財産を相続するかを明示する

遺産分割協議書の中でメインとなるのが、「誰が」「どの財産を」相続するかについての規定です。

遺産目録を作成している場合には、その項番を参照する形で規定するのが便利でしょう。
これに対して、遺産目録を作成していない場合には、前述の遺産の特定方法に従い、本文に直接遺産の内容を書き込むことになります。

【誰がどの財産を相続するかに関する記載例】

①遺産目録を作成している場合
相続人△△は、別紙遺産目録第1項記載の土地を取得する。

②遺産目録を作成していない場合
相続人△△は、次の遺産を取得する。

(1) 土地
所在:東京都〇〇区〇〇町〇丁目
地番:〇番地〇
地目:宅地
地積:〇〇平方メートル

(4) 寄与分や特別受益があればその内容を注記する

遺産分割の内容を決定する際に、寄与分や特別受益を考慮するケースがあります。
その場合、後に寄与分・特別受益に関する紛争を防止するために、どのような考慮を加えて遺産分割を行ったかを明記しておくとよいでしょう。

【寄与分に関する記載例】
相続人△△が被相続人の療養看護に努めたことによる寄与分を、遺産総額の〇分の〇と定めたうえで、本書に基づく遺産分割の内容を決定する。

【特別受益に関する記載例】
相続人△△は、○年〇月〇日付で、被相続人○○から結婚資金として〇〇万円の贈与を受けた。当該贈与は特別受益に該当するので、相続人△△は何らの遺産を取得しない。

(5) 清算条項を規定する

遺産分割協議書は、相続に関する話し合いを完結させ、その後の紛争を防止するという機能を有しています。
そこで、遺産分割の対象となった遺産に関して、遺産分割協議書に記載されているもの以外の権利義務が相続人間に存在しないことを明らかにするために、清算条項を入れる場合があります。

【清算条項の記載例】
本書の当事者は、被相続人〇〇〇〇の遺産について、本書に定めるもののほか、当事者間に何らの債権債務関係がないことを確認する。

(6) 後から遺産が発見された場合の処理を規定する

遺産分割協議が終わった後で、相続人による把握が漏れていた遺産が新たに判明する可能性も考えられます。

万が一遺産が新たに判明した場合における処理について、遺産分割協議書に記載しておくと、相続人間における後の紛争を防止する効果が高まるでしょう。

【後から遺産が発見された場合の処理に関する記載例】

①別途協議とする場合
本書に記載なき遺産および後日存在が判明した遺産の分割方法は、相続人全員が別途協議により定める。

②あらかじめ取得者を決めておく場合
本書に記載なき遺産および後日存在が判明した遺産の分割方法は、すべて〇〇が取得する。

(7) 署名・押印欄

遺産分割に関する合意内容をすべて記載した後で、最後に相続人全員が署名・押印する欄を作成します。

なお、法務局や金融機関などにおける名義変更手続きに用いるためには、印鑑登録された実印での押印が必要になるのが一般的です。
そのため、遺産分割協議書を作成する際には、必ず実印で押印をしましょう。

なお、遺産分割協議書が複数ページにわたる場合には、署名欄への押印に用いるものと同じ印章によって、相続人全員が契印を施します。

【署名欄の記載例】

以上、本書成立の証として、本書〇通を作成し、相続人全員が署名押印のうえ、各自1通を保管する。

〇年〇月〇日

東京都・・・
相続人△△

東京都・・・
相続人□□

・・・

4.遺産分割協議書を作成する際の注意点は?

遺産分割協議書を作成する場合、相続人間における後の紛争を防止し、かつ相続に関する手続きを円滑に行うという簡単から、以下の点に注意しましょう。

(1) 遺産の内容と分割方法を漏れなく記載する

遺産分割協議書によって、相続に関する紛争を終局的に解決するためには、存在する遺産の分割方法をすべて記載しておくことが重要です。

もし財産の把握漏れがあると、その財産について改めて分割方法を協議しなければならないケースが多く、相続に関する紛争が再燃してしまうおそれがあります。

漏れのない遺産の記載を行うためには、遺産分割協議を行うに先立って、十分な財産調査を行うことが大切です。

(2) 明確な文言で条文を記載する

遺産分割協議書の条文の文言が曖昧であったり、2通り以上の意味に解釈できてしまったりすると、記載内容を巡って相続人同士の紛争が発生するおそれがあります。

そのため、遺産分割協議書を作成する際には、法律文書として明確な文言によって条文を作成しなければなりません。

(3) 作成時には弁護士のチェックを受けるのがお勧め

遺産の漏れのない記載、および明確な文言による記載を徹底するためには、弁護士に遺産分割協議書の内容をチェックしてもらうことが有効です。

また、遺産分割協議の初期段階から弁護士にご相談いただければ、相続人のニーズをより適切に反映し、かつ紛争防止にも役立つ遺産分割案をご提案いたします。

特に相続人同士で揉めてしまっている場合には、弁護士を仲介者として遺産分割協議を行うことで、冷静な話し合いによる解決が期待できます。

遺産分割協議に関してトラブルをお抱えの方、遺産分割協議書の作成方法についてお悩みの方は、一度弁護士にご相談ください。

5.まとめ

遺産分割協議書には、相続人間での合意内容を明確化して紛争を防止する機能があると同時に、その後の名義変更などの手続きにおける必要書類としての役割もあります。

遺産分割協議書の役割を果たせるようにするためには、遺産の内容や分割方法などについて、明確な文言で漏れなく記載することが大切です。

遺産分割についてお悩みの方は、ぜひ一度泉総合法律事務所にご相談ください。

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