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遺言書

遺言執行者の職務執行停止|遺言執行者を解任する場合に必要?

相続発生後の相続人同士の争いを防止するためには、遺言書を作成し、その中で遺言執行者を選任することが有効な対策となります。

しかし、実際に相続が発生した時、遺言書で指定された遺言執行者が適切に職務を執行しない・できないという事態が生じることもあります。

このような場合には、遺言執行者の「解任」を検討することになりますが、解任の申立てと併せて「遺言執行者の職務執行停止の仮処分」を申し立てる必要があるケースもあります。

今回は、遺言執行者の解任および職務執行停止の仮処分の手続きについて解説します。

1.遺言執行者の解任について

相続が発生した場合、遺言書で指定された人または家庭裁判所によって選任された人は、遺贈、相続登記、預貯金の払戻しなど遺言執行者としての職務を行わなければなりません。

しかし、遺言執行者の中には、遺言の実現に向けた手続きを怠ったり、遺言執行者としての任務に違反したりするなど、遺言執行者としての適格性を欠く人もいます。

このような正当な事由があるときには、遺言執行者を解任することができます(民法1019条1項)。

遺言執行者を解任できる「任務を怠ったとき」と「その他正当な事由があるとき」の具体的なケースとしては、以下が挙げられます。

  • 職務が遅々として進まない
  • 事務処理の状況を適切に報告しない
  • 遺言内容の一部しか執行しない
  • 相続財産を不正に使い込んだ
  • 遺言執行者の健康状態がきわめて悪い
  • 遺言執行者が長期の国外駐在中である

なお、解任事由や解任の方法ついての詳しい説明は、以下のコラムをご参照ください。

[参考記事] 遺言執行者は解任できる?解任の条件や手続きを解説

2.遺言執行者の職務執行停止の手続き方法

(1) 解任請求する遺言執行者の権限を早期に停止する必要

遺言執行者は、解任請求がなされても、直ちにその地位を失うものではありません。解任の審判が確定するまでの間は、遺言執行者としての任務を遂行することができてしまいます。

そのため、すぐにでも遺言執行者の任務を辞めさせたい場合には、遺言執行者の解任の申立てだけでなく、「遺言執行者の職務執行停止の審判」申立て(家事事件手続法215条1項)を同時に行う必要があります。

「遺言執行者の職務執行停止の審判」が効力を生じると、遺言執行者の解任の審判が確定するまで、遺言執行者の職務執行権限が停止します。

職務執行停止の申立ては、本案である遺言執行者解任の審判確定までの間に、遺言執行者解任の審判の申立人が申し立てることができます。

(2) 職務執行停止の申立書の書き方

遺言執行者の職務執行停止の申立ては、本案である遺言執行者解任の審判が係属している家庭裁判所に申立てを行います。
(なお、遺言執行者解任の審判は、相続を開始した地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。)

遺言執行者の職務執行停止の申立書は、裁判所のホームページからダウンロードすることができる「家事審判申立書」を利用して作成します。
「申立ての趣旨」には、求める保全処分の内容を記載し、「申立ての理由」には、保全処分を求める理由を記載します。

申立てには、収入印紙は不要ですが、申立先の裁判所が定める予納郵便切手が必要となります。

3.解任後は新たな遺言執行者を立てる

遺言執行者解任の審判が確定すると、遺言執行者の任務は終了し、遺言執行者が不在の状態となります。
遺言の内容によっては、遺言執行者の選任が必要不可欠な場合もありますので、その場合には、家庭裁判所に対して遺言執行者選任の審判を申し立てます。

なお、遺言執行者の解任の審判が確定するまでの間に、遺言を執行する必要がある場合には、「職務代行者選任の審判」の申立てをする必要があります。

職務代行者は、遺言執行者の代わりに職務を代行し、解任の審判が確定すると同時に任務が終了します。

4.遺言執行者は弁護士にも依頼可能!

遺言執行者の解任をするには、現在の遺言執行者が遺言執行の任務を怠ったかその他正当な事由があるとき場合でなければなりません。
どのような事情があれば解任が認められるかについてはケースバイケースですので、まずは専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士に相談をすることによって、解任事由の該当性について適切に判断してもらうことができるだけでなく、解任事由に該当する場合には、遺言執行者解任の審判を申し立てるなどの手続きをすべて任せることができます。
その際には、遺言執行者の職務執行停止・職務代行者選任の審判の申立てなども必要に応じて対応してくれます。

さらに、遺言執行者を解任した後の遺言執行者を弁護士に依頼することができます。

信頼できる弁護士に遺言執行者を任せることによって、これまで停滞していた遺言執行事務がスムーズに進み、円滑な遺言の実現が期待できるでしょう。

遺言執行者 [参考記事] 遺言執行者とは|相続人と同一でもいい?権限やできないことは?
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