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相続放棄

相続放棄はどの窓口・専門家に相談すべき?相談先一覧

相続財産の中に多額の債務があることが判明した場合、「相続放棄」をした方がよいケースが多いです。

しかし、相続放棄をすべきかどうかの判断が難しい、相続放棄の手続きがよくわからないといった場合もあるかと思います。
その場合には、様々な窓口・専門家が相続放棄についての相談を受け付けていますので、ご自身のニーズに合った窓口・専門家へお早めにご相談ください。

今回は、相続放棄を相談できる窓口・専門家について、それぞれの特徴を解説します。

1.相続放棄とは?

「相続放棄」とは、財産を一切相続しない旨の意思表示です(民法939条)。

相続放棄 [参考記事] 相続放棄とは|メリット・デメリットから注意点、手続き方法を解説

相続放棄をすると、資産と同時に債務(借金)も相続せずに済みます。
そのため、相続財産が債務超過となっている場合に、相続放棄が行われるケースが多いです。

なお、相続放棄は家庭裁判所において申述する必要があります(民法915条1項)。
したがって、単に他の相続人に対して「相続放棄します」と伝えるだけでは、相続放棄は成立しないので注意しましょう。

また、相続放棄には原則として、「相続の開始を知ったときから3か月以内」という期間制限(熟慮期間)がある点にも要注意です。

確実に相続放棄をするためには、できるだけ早い段階で、次に紹介する窓口・専門家に相談することをお勧めいたします。

相続放棄 期間 [参考記事] 相続放棄の期間(熟慮期間)は原則3ヶ月以内|起算点はいつから?

2.相続放棄の相談先

相続放棄について相談できる、主な窓口・専門家は以下のとおりです。
(行政書士には、相続放棄について相談することはできません)

(1) 弁護士|相続手続き全般を依頼

弁護士には、あらゆる相続手続きへの対応を依頼することができます。

弁護士の最大の特徴は、法律に関する事務であれば全般的に取り扱うことができ、業務範囲の制限がない点です。
弁護士に相談すれば、総合的な観点から相続手続きに関するアドバイスを受けられます。

当然ながら、相続放棄の検討や手続きについても、弁護士に相談すれば全面的に任せることが可能です。

(2) 司法書士|相続放棄申述書の作成を依頼

相続放棄申述書の作成については、弁護士のほか、司法書士にも依頼できます。
司法書士には、裁判所に提出する書類の作成を業務として取り扱うことが認められているためです(司法書士法3条1項4号)。

ただし、司法書士に依頼する場合、家庭裁判所に対する相続放棄申述書の提出は相続放棄をする本人が行う必要があります。

また、家庭裁判所による照会等の連絡は、すべて本人に対して行われます。

(3) 不動産業者

相続放棄をするかどうかの判断に当たっては、相続財産が全体としてプラスなのかマイナスなのかを、正確に評価することが大切です。

特に、相続財産の中に不動産が存在する場合には、現状の取引価値がどの程度なのかを把握しなければなりません。
不動産相場についての情報を得るためには、不動産業者に査定を依頼することが簡便です。

もし相続放棄をしないことになっても、将来的に不動産を売却したり、遺産分割協議の中で代償分割を行ったりする場合には、不動産業者の査定結果が参考となります。

そのため、相続財産の中に不動産が含まれているケースで、相続放棄を検討する場合には、一度不動産業者の意見を聴いておくとよいでしょう。

(4) 市区町村役場

相続放棄をした場合でも、他の相続人または相続財産管理人が管理を開始するまでの間、相続財産の管理を継続しなければなりません。
しかし、特に空き家の管理は自分で行うのが非常に大変ですし、第三者に管理を委託するとしても費用がかかります。

相続放棄後に空き家の管理が発生する場合には、市区町村の助成金等を活用しましょう。

各市区町村では、空き家放置による近隣被害等を防止するため、管理費用についての助成金等を設けているケースがあります。

市区町村役場の窓口で相談すれば、助成金等の利用に関するアドバイスを受けられます。

また、各市区町村役場では、定期的に弁護士による無料法律相談会が開催されていることも多いので、タイミングが合えば利用してみるのもよいでしょう。

(5) 家庭裁判所(相続放棄の手続きについて相談)

相続放棄をすることがすでに決まっていて、後は申述書を作成・提出するだけという段階であれば、申述書の作成方法について家庭裁判所に相談することも考えられます。
家庭裁判所では、相続放棄申述書を作成するに当たって、主に形式的なポイントに関するアドバイスを受けられることがあります。

ただし、相続放棄をすべきかどうかの判断など、実質的な部分については、家庭裁判所は何も助言してくれないので注意が必要です。
相続放棄について、状況を踏まえた具体的なアドバイスを受けたい場合には、弁護士や司法書士へのご相談をお勧めいたします。

3.相続放棄について弁護士に相談・依頼するメリット

上記で紹介したとおり、相続放棄の相談先はいろいろありますが、最初から弁護士に相談・依頼するのがもっとも簡便かつ確実性の高い方法と言えます。

弁護士に相続放棄を相談・依頼する主なメリットは、以下のとおりです。

(1) 相続放棄について正確なアドバイスを受けられる

一度相続放棄の申述を行うと、後から申述を撤回することはできません。

そのため、「相続の開始を知った時から3か月」という短い期間制限の中でも、相続財産の全体像を正確に把握し、相続放棄をするかどうかの判断を適切に行うことが必要です。

ご自身で相続財産の調査等を行うことが難しい場合は、弁護士に相続放棄の前提となる相続財産の調査・把握を依頼することも可能です。

そのうえで、弁護士から、依頼者のご状況に応じて、相続放棄をすべきかどうかのアドバイスを受けることができます。
その結果、時間的猶予が短い中でも、後悔のない形で相続放棄の判断をしていただけるかと思います。

(2) 相続放棄申述書の作成・提出を一任できる

相続放棄の作成・提出を一括で代行できるのは弁護士のみです。

相続放棄申述書は、裁判所に提出する文書なので、整った形式で作成する必要があります。
相続放棄申述書を業務として作成できる専門家は、弁護士と司法書士ですので、少なくともどちらかに依頼することが推奨されます。

しかし、司法書士は相続放棄の手続を代理することはできないため、本人が家庭裁判所に足を運んで申述書を提出する必要があります。
また、家庭裁判所からの照会等の連絡も本人宛に行われるため、司法書士との情報共有において齟齬や手間が発生することも懸念材料です。

弁護士にご依頼いただければ、相続放棄に関するすべての手続きを、一括して代理いたします。

そのため、依頼者の労力は大きく軽減され、かつ相続放棄の手続きを最初から最後まで確実に遂行することが可能です。

(3) 熟慮期間経過後でも相続放棄が認められる可能性

相続放棄には、原則として「相続の開始を知った時から3か月以内」という期間制限(熟慮期間)が設けられています。

しかし実際には、相続開始後かなりの期間が経過してから相続債務の存在が判明するなど、熟慮期間内に相続放棄をすることが実質的に不可能であるケースも存在します。
このような場合に、相続放棄が一律できないとすると、債務者となってしまう相続人にとって酷です。

そこで家庭裁判所では、申述が遅れた事情によっては、熟慮期間経過後であっても相続放棄を認める運用を行っています。

ただし、熟慮期間経過後の相続放棄を認めてもらうには、家庭裁判所に対する合理的な理由説明が必要になります。

弁護士にご依頼いただければ、きちんと言葉を尽くして家庭裁判所に対する理由説明を行い、できる限り相続放棄が認められるようにサポートいたします。
その結果、ご自身で相続放棄の申述を行う場合よりも、熟慮期間経過後の相続放棄が認められる可能性が高まるでしょう。

4.まとめ

相続放棄には期間制限(熟慮期間)があるため、速やかな検討・判断が必要になります。
相続財産の中に債務が存在することが判明した場合には、早めに専門家等にご相談のうえで、相続放棄の検討に着手しましょう。

弁護士にご相談いただければ、相続放棄の要否に関してアドバイスするとともに、実際の相続放棄の申述手続きについても、一括して代理いたします。
また、熟慮期間経過後の相続放棄についても、弁護士にご依頼いただければ、家庭裁判所に受理されるように最大限尽力いたします。

手間なく確実に相続放棄を行いたい場合には、お早めに弁護士までご相談ください。

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