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遺産分割

死後認知とは?認められるケース・手続き・遺産分割協議への影響

実親が亡くなったものの、認知を受けていないため相続できないというケースはしばしば見受けられます。

この場合には、認知の訴えを提起して「死後認知」を受ければ、相続権を得て、相続できることができます。

被相続人の生前に認知を受けていない方は、相続権を得て、ご自身の権利を適切に実現するため、「死後認知」の制度について正しく理解しておきましょう。

この記事では、死後認知の概要・認められるケース・手続き・遺産分割協議への影響などについて解説します。

1.「死後認知」について

「死後認知」の手続きは、被相続人の生前に認知を受けていない非嫡出子の方が、相続権を得るために必要になる重要な手続きです。

(1) 死後認知とは?

「死後認知」とは、父親が亡くなった後、非嫡出子との間で法律上の親子関係を発生させる手続きをいいます。

婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)は、当初は父親との間に法律上の親子関係を持ちません。
しかし、父親から「認知」を受けることによって、父親との間で法律上の親子関係を発生させることができます(民法779条)。

認知は、生前に父親本人の意思によって行うのが原則です。

ただし、父親が認知に非協力的な場合や、非嫡出子を認知する前に父親が死亡してしまった場合などには、非嫡出子の親子関係から生じる権利を保護するため、「認知の訴え」を提起することが認められています(民法787条)。

この「認知の訴え」を、父親の死後に提起して認知を受けることを「死後認知」といいます。

(2) 死後認知で相続権が得られる

非嫡出子の方が死後認知を受けることの最大のメリットは、父親の相続権を得られる点にあります。

被相続人の子は相続権を有しますが(民法887条1項)、認知されていない非嫡出子は父親(被相続人)との間に親子関係がないため、そのままの状態では相続権を有しません。

そこで死後認知を受けて、被相続人の死後に親子関係を発生させることにより、非嫡出子が相続権を得ることができるのです。

2.死後認知を受けるための手続き

非嫡出子の方が死後認知を受けるためには、「認知の訴え」を提起する必要があります。

認知の訴えには提訴期間が設定されているので、父親(被相続人)が亡くなったことがわかったら、速やかに準備を進めることが大切です。

(1) 「認知の訴え」を提起

「認知の訴え」とは、非嫡出子の方が父親との親子関係を証明し、認知の効力を認めてもらうことを目的とする訴訟手続きをいいます(民法787条本文)。

認知の訴えを提起できるのは、以下のいずれかに該当する方です。

①非嫡出子本人
②非嫡出子の直系卑属
③①および②の法定代理人

認知の訴えの相手方(被告)は本来であれば父親本人ですが、すでに父親が亡くなっている死後認知の場合には検察官となります。

認知の訴えを提起した場合、訴訟手続きの中で証拠等によって親子関係の証明を行います。

そして、裁判所により親子関係(の証明)が認められれば、判決によって認知の効力が発生します。

(2) 提訴期間は父親の死亡日から3年間

認知の訴えは、父親が死亡してから3年を経過すると提起できなくなり、それ以降の認知の訴えは却下されてしまいます(民法787条ただし書)。

父親が亡くなったことを知ったタイミングがいつであるかにかかわらず、認知の訴えの期間制限は「死亡の日から3年を経過したとき」と客観的に定められていることから、原則として3年を経過した後は、提訴が認められないので、注意が必要です。

そのため、認知を受けていない非嫡出子の方は、父親が亡くなったことを知った場合には、速やかに認知の訴えを提起することを検討しましょう。

3.認知の訴えが認められるケース・必要な証拠

認知の訴えでは、父親との親子関係を証拠等によって立証する必要があります。

親子関係の立証を成功させ、認知の効力を認めてもらうためには、以下の考え方に沿って有力な証拠を収集・提出することが重要になります。

(1) DNA鑑定の結果

現代では、親子関係を立証するためにもっとも有力と考えられている証拠は「DNA鑑定の結果」です。

DNA鑑定は、ほぼ100%に近い制度で親子関係の存否を判断できる、科学的に強力な証拠として知られています。
そのため、父親本人のDNA資料を取得することができれば、非嫡出子自身のDNA資料と対照することによって、親子関係の存在を立証できるでしょう。

ただし、父親がすでに亡くなっているケースでは、父親本人のDNA資料を取得することが不可能または困難な場合もあり得ます。

その場合には、父親の近親者のDNA資料で代替することも考えられます。
父親の近親者と非常に近い血縁関係にあることがDNA鑑定により判明すれば、父親本人との親子関係についても、かなり高い確度で存在することが窺えるからです。

認知の訴えで父親との親子関係を立証するためには、まずは父親本人、それが難しければ父親の近親者のDNA資料を取得することを目指しましょう。

なお、もし父親の近親者の協力が得られない場合には、DNA資料の提供に協力することを条件として、相続分を一部譲渡することを約束するなどの交渉を行うことも考えられます。

(2) 親子関係が立証できる他の証拠

しかし、父親本人のDNA資料を取得することが難しく、かつ父親の近親者がDNA資料の提出に協力してくれないことも多いです。
その場合には、別の証拠によって親子関係を立証する必要があります。

DNA資料以外に、親子関係を立証するための証拠の例としては、以下のものが考えられます。

  • 生前の父親とのやり取りが記録された手紙、メール、音声
  • 母親やその親戚の証言
  • 出生時の医療記録 など

上記以外にも、親子関係を示す何らかの手がかりになる資料であれば、どんな些細なものであっても保存しておき、認知の訴えの際に裁判所へ提出しましょう。

4.死後認知後の遺産分割に関する処理

認知の訴えの判決によって死後認知の効力が発生した場合、非嫡出子の方は父親との間に親子関係が認められ、父親の相続権を獲得することになります。

この場合、非嫡出子の方は、相続権を根拠として遺産を相続することができます。
ただし、遺産分割協議がどの段階にあるかによって、相続権の行使方法が変わってくることに注意しましょう。

(1) 遺産分割が未了|遺産分割協議に参加できる

遺産分割協議がまだ始まっていないか、または進行中の場合は、死後認知によって相続権を得た非嫡出子の方は、遺産分割協議に参加することができます。

遺産分割協議では、相続人(および包括受遺者)全員の合意により、自由に相続分を決定できることになっています。
しかし、最終的に遺産分割審判に発展した場合には、法定相続分に従った遺産配分が行われます。

したがって、遺産分割協議においても、非嫡出子の方は法定相続分を目安として権利を主張するのがよいでしょう。

なお、非嫡出子の法定相続分は、現行民法上は、嫡出子と同等とされています。

(2) 遺産分割が終了|法定相続分に応じた金銭の支払いを請求

これに対して、非嫡出子の方が他の相続人に対して遺産分割を請求した時点で、すでに遺産分割が完了している場合もあり得ます。

この場合には、非嫡出子の方は他の相続人に対して、法定相続分に応じた金銭の支払いを請求できるにとどまります(民法910条)。

一旦有効に遺産分割が行われたにもかかわらず、死後認知によって遺産分割協議がやり直しになってしまうと、他の相続人に対して大きな負担を強いることになります。

そこで、遺産分割完了後に死後認知を受けた人から遺産分割の請求が行われた場合には、金銭精算のみを認めて、合理的に利害を調整することが意図されているのです。

なお、非嫡出子の方が他の相続人に対して支払いを請求できる金額は、以下の計算式によって求められます。

請求金額=請求時の遺産の総額×法定相続分

上記の計算式において、請求金額算定の基礎となる遺産総額の基準時は、最高裁の判例上「遺産分割の請求時」と解されています(最高裁平成28年2月26日判決)。

最高裁は、その理由を以下のとおり判示しています。

「認知された者が価額の支払を請求した時点までの遺産の価額の変動を他の共同相続人が支払うべき金額に反映させるとともに、その時点で直ちに当該金額を算定し得るものとすることが、当事者間の衡平の観点から相当であるといえるからである。」

上記の判例に照らすと、特に遺産の中に不動産などの価格変動が生じる資産が含まれている場合には、遺産分割の請求時点における価格を適切に評価・算定することが大切です。

弁護士にご相談いただければ、不動産業者などと適宜連携を行い、遺産の価値評価についても対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

5.まとめ

被相続人の生前に認知を受けていない非嫡出子の方は、死後認知を受けることによって相続権を得ることができます。

死後認知を受けるには、認知の訴えを提起することが必要です。
認知の訴えでは、親子関係を証拠などによって立証しなければなりません。

DNA鑑定の結果がもっとも有力な証拠となりますが、被相続人本人や被相続人の近親者のDNA資料を取得することが難しければ、別の証拠による立証を検討する必要があります。

弁護士にご相談いただければ、認知の訴えにおける主張立証方法の検討・実際の訴訟手続きの遂行・その後の遺産分割への対応に至るまで、死後認知に関する手続きを全面的にサポートいたします。

認知を受けていない父親が亡くなったことが分かった方は、お早めに泉総合法律事務所までご相談ください。

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