相続に強い弁護士に無料相談|東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪
安心と信頼のリーガルネットワーク弁護士法人泉総合法律事務所遺産相続
0120-870-408
【電話受付】平日9:00〜21:00/土日祝9:00〜19:00
お問い合わせ
(365日24時間受付中)
遺産分割

行方不明の相続人と遺産分割|3つの対処法を解説

遺産分割協議は、相続人全員が参加して行わなければならず、一部の相続人を欠いて成立させた遺産分割協議は無効となります。

では、相続人の中に音信不通の相続人がいたり、行方不明の相続人がいたりする場合には、どうすればよいのでしょうか。

このような場合には、通常の相続手続きとは別の特別な手続きをすることによって遺産分割が可能になります。

今回は、音信不通や行方不明の相続人がいる場合の遺産分割方法について解説します。

1.相続人が行方不明の場合には遺産分割協議ができない

被相続人が亡くなり、遺言書が残されていない場合には、被相続人の遺産を分けるためには、相続人全員が遺産分割協議に参加して、遺産の分割方法などを取り決めなければなりません。一部の相続人を欠いた状態で遺産分割協議を成立させたとしても無効になってしまいます。

したがって、相続人が音信不通であったり、行方不明であったりする場合には、相続人全員が遺産分割協議に参加できず、そのままでは遺産分割協議を行うことができません。

2.相続人の調査方法

相続人が行方不明といっても、「誰が相続人になるかがわからない」、「相続人の連絡先が分からない」などさまざまな状況が考えられます。
遺産分割協議を行う前提として、まずは、以下のような方法で相続人の調査を行うことが必要です。

(1) 戸籍の取得

誰が相続人になるかがわからないという場合には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを取得することで、相続人が誰であるかを確定することができます。

被相続人に前妻の子がいるような場合でも、戸籍謄本などを取得することで明らかになります。

(2) 戸籍の附票(の写し)の取得

相続人が誰であるかはわかったものの、長年連絡を取っていなかったために住所や連絡先が分からず、遺産分割協議の連絡をすることができないという場合があります。

このような場合には、当該相続人の戸籍の附票(の写し)を取得することによって、登録されている現在の住所を知ることができます。

住所がわかった場合には、自宅を訪ねてみたり手紙を出してみたりして、被相続人が亡くなったことと遺産分割協議に参加してもらいたい旨を伝えるとよいでしょう。

相続人の調査について詳細はこちらの記事をご参照ください。

相続人 調査 [参考記事] 相続人の調査方法|遺産分割は相続人全員参加が必須!

3.行方不明者がいる場合の遺産分割方法

上記のような相続人調査を行った結果、戸籍上存在する相続人と連絡が取れない場合や、長期間行方不明になっている相続人がいる場合には、当該相続人を遺産分割協議に参加させることができません。

そのような場合には、具体的な状況に応じて、以下のような手続きを行うことによって遺産分割手続きを進めることが可能になります。

(1) 失踪宣告

失踪宣告とは、家庭裁判所に申立てをすることによって、一定期間生死不明の状態にある人に対して、法律上、死亡したものとみなす効果を生じさせる手続きです。

失踪宣告には、以下の2つの種類があります。

①普通失踪

普通失踪とは、不在者についてその生死が7年間明らかでないときをいいます。普通失踪は、不在者の生死が不明になってから7年間が満了したときに死亡したものとみなされます。

②特別失踪

特別失踪とは、戦争、船舶の沈没、震災などの死亡の原因となる危難に遭遇し、その危難が去った後、その生死が1年間明らかでないときをいいます。特別失踪は、戦争、船舶の沈没、震災などの死亡の原因となる危難が去ったときに死亡したものとみなされます。

失踪宣告によって行方不明者が死亡したものとみなされた場合には、行方不明者を被相続人として相続が開始します。

そのため、本来の被相続人の相続手続きを行うには、行方不明者の相続人を参加させて遺産分割協議を進めていくことになります(行方不明者に相続人がいない場合は残った相続人で進めます)。

(2) 不在者財産管理人

行方不明の相続人の生死不明の状態が7年未満である場合や生存していることは明らかだけれども音信不通で所在がわからないという場合などでは、上記のような失踪宣告の方法は使えませんので、行方不明の相続人について不在者財産管理人の選任を行います。

不在者財産管理人とは、被相続人の遺産分割を行いたいけれども、共同相続人の中に不在者がいるため遺産分割が行えないなどの場合に、当該不在者に代わって財産を管理、保存、処分をする人のことをいいます。

利害関係人である共同相続人は、不在者の住所地または居所地の家庭裁判所に対して、不在者財産管理人選任の申立てを行うことによって、裁判所が不在者財産管理人を選任します。

不在者財産管理人が選任された場合には、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加して遺産分割手続きを進めていきます。

ただし、不在者財産管理人の権限は、主に財産の管理・保存にありますので、遺産分割のように不在者の財産を処分する行為をする場合には、裁判所に「権限外行為許可」を求める必要があります。

裁判所に権限外行為許可の申立てをする際には、遺産分割協議書案を添付する必要があります。不在者の法定相続分が確保されていないなど不在者が不利益を受けるような内容の遺産分割協議内容であった場合には、裁判所の許可が得られない場合もありますので注意が必要です。

(3) 公示送達による遺産分割審判

上記のような相続財産管理人の選任による方法だと、選任にあたって時間と費用がかかるというデメリットがあります。そこで、相続財産管理人の選任に代わる方法として、公示送達を利用して遺産分割「審判」を申し立てるという方法もあります。

公示送達とは、裁判所の書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも交付する旨を裁判所の掲示場などに掲示する送達方法をいいます(民事訴訟法111条)。

公示送達は、掲示を始めた日から2週間の経過により、送達の効力が生じますので、審判申立書を受け取ることができない相続人がいたとしても審判手続きを進めることができます。

しかし、公示送達は、行方不明者の反論の機会を奪う手続きですので、遺産分割の前提問題に争いがあるようなケースでは、審判申立が却下される可能性があります。どのような場合でも利用できるわけではありませんので注意しましょう。

4.帰来時弁済型遺産分割とは?

不在者財産管理人を選任して遺産分割協議を行う場合には、上記3(2)記載の通り、不在者が不利益を受けないようにするために不在者の法定相続分を確保する内容の遺産分割が原則となります。

しかし、そのような内容の遺産分割協議を成立させた場合には、不在者財産管理人は、不在者が現れるまで遺産分割によって取得した不在者の財産を管理していかなければなりません。

いつまでたっても不在者が戻ってこない場合には、不在者財産管理人の業務も長期間に及ぶことになり負担が大きくなるとともに、不在者財産管理人に支払う報酬のために不在者の管理財産が目減りしていくことにもなります。

そこで、相続人のなかに不在者がいる場合の遺産分割協議の特別な方法として「帰来時弁済型」と呼ばれる遺産分割協議内容があります。これは、不在者が戻ってきたら、他の共同相続人が不在者に金銭などを支払うという内容の遺産分割協議です。

帰来時弁済型の遺産分割協議については、不在者に支払う代償金の額が100万円以下の金額であれば、不在者の帰来の可能性や共同相続人の資力について厳密に審査しなくても裁判所の許可が得られる傾向にあります。

それ以外の場合には、不在者の帰来の可能性や共同相続人の資力などを踏まえて個別具体的に判断されることになります。

5.まとめ

相続人の中に音信不通の相続人や行方不明の相続人がいる場合には、失踪宣告手続き、不在者財産管理人選任手続き及び公示送達を利用した遺産分割審判手続きといった、通常の相続手続きとは異なる手続きを行わなければなりません。

また、行方不明者が相続人に含まれることが明らかな場合には、事前に遺言書を作成しておくことで残された相続人の負担を軽減することができます。

どのような手続きを選択するにしても、それらを問題なく適切に行うためには専門家である弁護士のサポートが重要になります。

行方不明者が含まれる相続でお悩みの方は、ぜひ弁護士法人泉総合法律事務所までご相談ください。

関連するコラム
38 40
【電話受付】平日9:00〜21:00 / 土日祝9:00〜19:00