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遺産分割

遺産分割調停とは?調停のメリットと申し立て方法や流れを解説

今回は、遺産分割協議の次の「遺産分割調停」について、流れや実際の申立て方法について解説します。

基礎から解説するので、調停を検討している方は、ぜひご参考にしてください。

1.遺産分割調停とは

遺産分割調停とは、当事者同士の遺産分割協議で交渉が決裂した際に、次の段階として家庭裁判所で調停委員会に仲介してもらう話し合いのことです。

協議が膠着状態にあるときには、早めに見切りをつけて調停に移行したほうが早期解決に繋がることもあります。

ちなみに、調停でも合意に至らなかったら審判に移行します。調停と審判の違いは、前者があくまでも話し合いにとどまり、全員が合意して始めて遺産分割が決まるのに対して、審判は裁判官が強制的な決定で遺産を分割する点にあります。

なお、前者では合意した内容を記載した「調停調書」、後者では審判内容を記載した「審判書」が作成され、どちらも法的な効力を持ちます(ただし、後者は不服がある場合は即時抗告で争うことができます)。

遺産分割協議から調停を経ずにいきなり審判を申し立てることも一応は可能ですが、調停前置主義がとられているため、原則として裁判所から審判ではなく調停に回されます(家事事件手続法257条)。

遺産分割調停は、相続人のうち1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方にして申し立てます。調停が開始すると、家事調停委員2人が当事者の言い分を十分にききながら進めていきます。調停委員は進行情況を随時、裁判官に報告し、協議して話合いを進めてゆきます(家事手続法248条1項)。

2.遺産分割調停の流れ

遺産分割調停は、大まかに以下のような流れをとります。

  1. 遺産分割調停の申立て
  2. 申立人と家庭裁判所で第1回期日の決定
  3. 裁判所から相手方に、郵送にて期日の連絡
  4. 期日に出頭(第1回調停期日)
  5. 裁判官と調停委員の仲介のもと、(通常、複数回の)調停
  6. 調停の成立により終了もしくは調停不成立で自動的に審判へ移行

調停委員らの仲介のもと話し合いを行うといっても、一堂に会して協議するわけではありません。

申立人と相手方で控室が分かれており、交代に呼ばれて調停室に入り、調停委員と話をします。当事者同士で顔を合わせる機会は、実はほとんどないのです。

第1回期日の冒頭に裁判官から手続の説明を受ける際と各調停期日のおわりに次回期日を決める際には、全員が調停室に入ることが原則ですが、どうしても他の者と顔を合わせるのが嫌であれば、個別に説明し、個別に期日を調整してくれます。

3.申立て方法

(1) 申立人

申立人は共同相続人・包括受遺者(民法990条)・相続分譲受人(民法905条1項)です。

(2) 申立先

調停の相手方のうちの一人の住所地を管轄する家庭裁判所、または相続人らの合意によって決めた家庭裁判所に対して申し立てます。

(3) 必要書類

必ず必要になる書類は、下記の通りです。

  • 申立書1通 ※裁判所のHPでダウンロードできます
  • 記入した申立書の写しを相手の人数分
  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 代襲相続がある場合:被代襲者(代襲相続される者)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の住民票又は戸籍の附票
  • 遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書および固定資産評価証明書、預貯金通帳の写しまたは残高証明書、有価証券の写し等)

他にも場合によって提出を求められる書類があるので、二度手間になることのないよう、事前に裁判所に問い合わせたりHPで確認したりしましょう。

(4) 費用

申立て費用は、収入印紙代1,200円+郵便切手代です。

郵便切手代は、郵送での連絡に使いますが、具体的な金額は家庭裁判所によっても異なるため、心配な場合はこちらもあわせて確認しておくとよいでしょう。

4.遺産分割調停のメリット/デメリット

(1) メリット

膠着状態にある話し合いを前進できる

遺産分割調停の最大のメリットは、膠着状態にある話し合いを前に進められる点です。
親族間で協議がこじれると、冷静さを失い、お互い一歩も譲らずに、半ば意地を張っている状態になってしまうこともありえます。

そこで調停という新たな段階に入ることで、心機一転して話し合いを再開できます。

調停委員を介すことで冷静に話し合いができる

また、前述の通り、調停では直接相手の顔を見ることがほとんどありません。
話をする相手は、調停委員です。

遺産分割協議がヒートアップすると、肉親だからこそ、顔を見ただけで苛立ちを覚えることもあります。

顔を見る必要がない分、一人一人が冷静さを保ち、建設的な話し合いができるというメリットがあります。

法的に妥当な解決案を示してもらえる

遺産分割調停では、裁判官や調停委員から法的に妥当な解決案を当事者に示してもらえます。

当事者同士だけでは、例えば「自分や相手の希望が、法的に認められるものなのかわからない」といったこともあり得ますが、調停では中立の立場から法律に則った解決案を示してもらえるため、双方が納得しやすいというメリットがあります。

(2) デメリット

結局全員が合意できないと成立しない

デメリットは、あくまで話し合いなので、調停成立には全員の合意が必要ということです。

遺産分割協議でさんざん揉めたことが、調停に移行したからといって、それだけで、すんなりとまとまることは考えにくく、解決までにそれ相応の労力を要することが予想されます。

調停で解決を図るには、結局は一人一人が少しは譲歩しなければならないことを覚悟しておくのがよいでしょう。

また、相続人の範囲、遺産の範囲といった遺産分割の前提となる問題について争いがある場合は、調停や審判では解決できず、別途、訴訟で解決する必要があります。

時間がかかる

調停期日は一般的に1~2ヶ月に1回ですが、裁判官、調停委員2名、申立人、相手方、裁判所の施設運営スケジュールの全てが一致した日でなくては調停期日とすることはできません。この期日調整には苦労するため、なかなか期日が入らないのです。

それを複数回行わなければならないので、もちろん時間がかかってしまいます。

半年以内に終わるケースもありますが、年単位でかかってもおかしくはありません。事案によってはかなりの長期戦になります。

とはいえ、いつまでも協議を続けていたらもっと時間がかかってしまうおそれがあるのです。

平日の日中に家庭裁判所に行かなくてはならない

家庭裁判所で調停を行うのは平日の日中です。
平日の日中は仕事で忙しい方も多く、そもそもその時間帯に時間を割かなければならないことが大きな負担を強いることがあります。

 

以上のように調停にはメリットだけではなくデメリットもありますが、それもふまえても、遺産分割協議で埒があかないようであれば調停に移行するのが賢明でしょう。

遺産分割には法律上の期限はありませんが、放置すれば共同相続人の共有状態が継続して不動産などの円滑な利用が困難となったり、共同相続人の一部が亡くなって次の相続が発生し、共有者が増加してしまったりという不都合が生じます。

したがって、遺産分割は早めに完了してしまったほうが絶対によいのです。

裁判所の仲介に多少抵抗もあるかもしれませんが、進展のない協議で親族間にしこりを残してしまうくらいであれば、調停での早期解決を検討してみてはいかがでしょうか。

5.遺産分割調停は弁護士に相談を

また、スムーズに調停を成立させるためには、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に遺産分割調停を依頼した場合、面倒な必要書類の収集もお引き受けしますし、なんといっても弁護士が調停に同席し、依頼者の要望を調停委員に伝えることができます。

ご自身だけでは調停委員にうまく話せるか不安も多いでしょうが、弁護士という味方がいれば、ご自身の話を整理して法的に的確な主張として伝えてくれます。

ただ、弁護士に依頼すると高額な費用を請求されるのではないかと、金銭面で不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

この点、泉総合法律事務所では、できるだけリーズナブルな価格を行っています。
遺産分割で迷われたら、ぜひ一度泉総合法律事務所にご相談ください。

遺産分割 費用

 

※ただし,着手金・報酬金のいずれについても,相続人が多数,特別受益・寄与分の主張,その他複雑・難解な事案については,別途協議により定めるものとします。
※日当:ご相談時に弁護士からご説明いたします。
※実費:その他実費として,郵便切手代,印紙代,交通費,金融機関等への弁護士法による照会手数料,戸籍謄本等の取得にかかる費用,公正証書作成費用等がかかります。

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