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遺留分

遺留分を請求されたらどうすればいい?法的な対応方法を解説

遺留分 請求されたら

被相続人から相続人が多額の生前贈与や遺贈を受けていた場合や、遺言書によってすべての遺産を相続した場合などには、不公平を感じた他の相続人から「遺留分侵害額請求」が行われる可能性があります。
もし他の相続人から遺留分侵害額請求を受けてしまった場合には、弁護士に相談して適切な対応をとることが大切です。

この記事では、他の相続人から遺留分侵害額請求をされたらどうすれば良いか、請求に応じずに払わないでよい方法はあるのか、請求を拒否するとどうなるのか等について解説します。

なお、多額の相続を受けた相続人が遺留分侵害額請求に応じない(応じてくれない)というケースについては、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事] 相手が遺留分侵害額請求に応じないときの対処法

1.遺留分侵害額請求について

被相続人は、生前贈与・死因贈与・遺贈(遺言による贈与)などの方法で、生前の意思表示により自ら所有する財産を自由に処分できるのが原則です。

しかし、法定相続人の相続に対する期待を保護する観点から、民法では「遺留分」という例外が設けられています。

(1) 「遺留分」とは?

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた、相続できる財産の最低保障額をいいます。

民法上遺留分が認められている趣旨は、推定相続人の相続に対する期待を保護することと、被相続人の意思を尊重することの両者のバランスをとる点にあります。

遺留分とは [参考記事] 遺留分とは|概要と遺留分割合をわかりやすく解説

(2) 遺留分侵害額請求とは?

留分侵害額請求とは、相続した遺産が遺留分額に不足する場合に、不足分に相当する金銭を支払うように、他の相続人に対して請求することをいいます(民法1046条1項)。

たとえば、遺産の総額が4000万円、相続人が子AとBの2人だけであったケースで、各自の遺留分額が1000万円だったとします。
このとき遺言書によって、Aには500万円しか遺産の相続が認められず、残りの遺産(3500万円)はすべてBが相続した場合には、Aは500万円分の遺留分を侵害されたことになります。

この場合は、AはBに対して、500万円を支払うよう請求できるのです。

2.遺留分侵害額請求をされた場合の対応

他の相続人から遺留分侵害額請求を受けた場合には、以下のチェックと検討を行い、対応方針を考える必要があります

なお、2019年6月30日以前に相続が発生した場合には、民法改正以前の「遺留分減殺請求」のルールが適用されます。もし、ご自分が遺留分減殺請求を受けている場合には、この点も念頭に置いて相手方と交渉しなければなりません。

難しい場合には、一度弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

(1) 消滅時効を確認する

遺留分侵害額請求権には、「相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年」という消滅時効が設けられています(民法1048条前段)。

この消滅時効期間を経過していれば、消滅時効を援用することによって、遺留分侵害額の支払いを免れることが可能です(民法145条)。

そのため、遺留分侵害額請求を受けた場合には、大前提として、消滅時効が完成しているかどうかを最初に確認しましょう。

遺留分侵害額請求権の時効 [参考記事] 遺留分侵害額請求には時効がある!期限と時効の防ぎ方を解説

(2) 正確な遺留分侵害額を計算する

遺留分侵害の事実があり、かつ消滅時効が完成していない場合には、一定の金額を支払う義務を免れることはできません。

しかし、遺留分額は遺産の評価によって変動するため、相手の主張する遺留分侵害額が過大なケースもあります。
正確な遺留分侵害額を計算したうえで、対応方針を検討しましょう。

遺留分金額の求め方

個々人の遺留分金額は、簡単にまとめると以下の計算式によって計算されます。

基礎財産額×遺留分割合×法定相続分

遺留分計算の基礎財産額は、相続財産の総額を基本として、一定の生前贈与を「持ち戻し」により加算することで求められます(民法1044条1項、3項)。

遺留分の計算方法に関する詳細は、以下の記事も併せてご参照ください。

遺留分 計算 [参考記事] 遺留分侵害額の計算方法を具体例でわかりやすく解説

遺留分侵害額を計算するに当たっては、特別受益などの生前贈与を持ち戻すかどうかなど、法律上の留意点が数多く存在するので、弁護士に相談しながら計算することをお勧めいたします。

[参考記事] 特別受益の「持ち戻し」とは?計算方法や注意点、持ち戻し免除を解説

(3) 過大な請求には計算の根拠を示して交渉

相手が主張する遺留分侵害額が過大な場合には、ご自分で算出した遺留分侵害額を、根拠とともに相手に示して交渉しましょう。

ケースによっては、遺留分計算に関する根本的な認識や考え方が異なるために、話し合いでの解決が困難なこともあります。
その場合には、調停や訴訟などの法的手続きによる解決を視野に入れることになります。

(4) 適正な請求であれば任意に支払う

客観的な遺留分侵害額を算出した結果、相手の主張する遺留分侵害額が適正水準であることが分かった場合には、たとえ「渡したくない」と思っても、相手方には遺留分を受け取る権利があります。
よって、速やかにその金額を支払ってしまうのが無難です。

調停や訴訟などに発展すると時間と労力がかかるので、話し合いレベルで問題を解決する方が、お互いにとってメリットがあるからです。

なお、支払いの原資を用意できないケースについては、下記の「よくある質問」をご参照ください。

3.遺留分侵害額請求に対して支払いを拒否するとどうなる?

適正な遺留分侵害額請求を拒否したり払わなかったりすると、最終的には相手の言い分どおりに強制執行が行われてしまう可能性もあります。
そのため、請求を受けたら無視をせず、法律に則った対応をとることが大切です。

(1) 調停申立て・訴訟提起をされる可能性

遺留分侵害額請求は、当初は内容証明郵便により行われることが多く、この請求を無視して放置していると、相手方は調停を申し立ててくる可能性が高いでしょう。

さらに、調停への呼出にも応じないでいると調停不成立となり、次に訴訟を提起されることになります。

相手方によって訴訟が提起されると、裁判所から訴状とともに呼び出し状が送られてきます。
呼び出し状による口頭弁論期日への出席要請を引き続き無視していると、通常は2回以上の欠席によって、相手方の請求をそのまま認容する判決が言い渡されてしまいます(民事訴訟法159条1項、3項、244条)。

(2) 強制執行による財産差し押さえ

相手方勝訴の判決は、言い渡されてから2週間が経過すると確定します。
判決が確定すると、相手方は確定判決の正本を債務名義として、強制執行の手続きをとることができるようになります(民事執行法22条1号)。

強制執行が行われてしまえば、給与債権・預貯金・不動産・車など、様々な財産が差押えの対象になってしまい、生活に支障をきたしてしまうおそれがあります。

そのため、強制執行にまで発展してしまう前に、遺留分問題を話し合いなどによって解決することをお勧めいたします。

4.遺留分侵害額請求をされた場合によくある質問(FAQ)

  • 遺留分侵害額を支払えない場合はどうする?

    相手の遺留分侵害額請求が適正であり、任意に支払って解決したいという場合でも、手元に支払いに充てることができる現金や預金がないケースもあるでしょう。

    その場合には、以下の対応が考えられます。

    分割払いや期限の猶予などについて交渉する

    遺留分権利者と直接交渉することで、分割払いや期限の猶予を認めてもらえるのであれば、それがもっとも穏便な解決になるでしょう。

    経済的に困難な事情があることを訴えると同時に、いつまでに支払うことができるか、どのようにして資金を準備するかを説得的に伝えることができれば、支払いを待ってもらえる可能性があります。

    交渉がまとまった場合には、新しく合意した返済スケジュールについて、合意書の形でまとめておきましょう。

    裁判所に対して期限の許与を求める

    交渉による分割払いや期限の猶予が認められない場合、裁判所に対して「期限の許与」を請求する方法が考えられます(民法1047条5項)。

    遺留分侵害額の精算にはまとまった金銭が必要となるため、すぐには支払えないという人も多いのが実情です。
    そこで、被請求者の遺留分侵害額の全部または一部について、裁判所が支払期限を先延ばしにすることが認められています。

    期限の許与の請求は裁判所を通じて行う必要があるため、手続きの詳細は弁護士にご確認ください。

  • 遺留分を払わない方法ってないの?

    遺留分を全く払わない方法として挙げられるのは、遺留分権利者に遺留分を放棄してもらう方法です。

    遺留分の放棄は、相続開始前(被相続人の生前)に行うものと相続開始後に行うものがあります。

    相続開始後の遺留分放棄は、遺留分を請求しなければよいだけなので簡単です。

    他方で、相続開始前に遺留分を放棄する場合は、遺留分権利者が、被相続人の生前に家庭裁判所に対して、遺留分を放棄することについて許可を得ることが必要となります(民法1049条1項)。

    しかし、遺留分権利者に家庭裁判所に申立てを行ってもらうのは、あまり現実的な方法とは言えません

    一方、遺留分の額をできるだけ減らす方法については、いくつか選択肢があります。

    被相続人が養子をとって相続人を増やして遺留分割合を下げる

    被相続人が養子をとって相続人を増やせば、その分必然的に遺留分の額を抑えることができます。

    例えば、被相続人の子2人が相続人の場合の遺産総額に占める遺留分の割合は、各相続人4分の1ずつです。

    一方で、被相続人が1人養子をとることで、相続人が3人になると、遺産総額に占める遺留分の割合は、各相続人6分の1ずつとなります。

    現預金を生命保険に代えて遺産総額を減らす

    被相続人の生前に現金や預貯金を生命保険にしておくと、亡くなった後に受け取った生命保険金は受取人固有の財産となるため、遺産総額を減らすことで遺留分の額を抑えることができます。

    ただし、生命保険金の額が遺産総額に占める割合が大きすぎると、特別受益として遺産総額への持ち戻しの対象となってしまいます。

    さらに税制上、生命保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。

    財産を生前贈与で移転して遺産総額を減らす

    被相続人は、生前贈与をすることで相続時の遺産総額を減らし、遺留分の額を抑えることができます。

    ただし、相続人に対する相続開始から10年以内の生前贈与は、遺留分を算定するための財産の価額への持ち戻しの対象となりますので(民法1044条1項、3項)、早めに贈与する必要があります。

    また、贈与者・受贈者双方が遺留分権利者を害することを知って行った贈与は、10年より前のものであっても遺留分計算の基礎財産に含まれことになります(民法1044条1項、3項)。

     

    いずれの方法も、被相続人となる方が、生前に準備する必要があり、遺留分を請求されてしまった後に遺留分を払わない方法はありません

5.遺留分を請求される側になったら弁護士へ

遺留分侵害額請求(減殺請求)を受けた場合は、請求を無視して放置していると、最終的に強制執行により財産を差し押さえられてしまうおそれがあります。

そのため、相手方が主張する遺留分侵害額が適正であるかどうかを検討したうえで、任意に支払うか、交渉していくかの方針を早めに決定する必要があります。

遺留分の問題には、計算や請求の手続きなどに関して複雑な法律問題が存在するので、弁護士に相談しながら対応を検討することをお勧めいたします。

泉総合法律事務所では、ご依頼者様が置かれている具体的な状況を踏まえたうえで、遺留分侵害額請求への適切な対応方針についてアドバイスいたします。
遺留分侵害額請求を受けてしまいお悩みの方は、ぜひお早めにご相談ください。

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