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遺言書

生前対策|相続争いを回避するため生前にできること

自分の遺産をめぐって大切な家族が争うということを避けたいのは当然です。
推定相続人としても、将来予想できる相続争いについては事前に対策をしておきたいと考えるでしょう。

将来の相続争いを回避して円満な相続を実現するためには、元気なうちからしっかりと生前対策を行っておくことが重要です。
適切な生前対策を行うことによって、相続争いを回避できるだけでなく、節税にもつながりますので、推定相続人にも大きなメリットがあります。

今回は、生前対策の方法とその注意点について解説します。

1.相続の生前対策の重要性

生前対策とは、幸せな老後を迎えるためや円満な相続を実現するために、元気なうちから対策をすることをいいます。

平成28年の日本人平均寿命は、男性が80.98歳、女性が87.14歳であり、過去最高を更新しました。
しかし、平成28年の日本人健康寿命(日常生活に制限のない期間)は、男性が72.14歳、女性が74.79歳であり、平均寿命よりも約10歳も開きがあることが分かります。

人生100年時代と言われるようになりましたが、健康なうちでなければ十分な生前対策をすることができませんので、元気なうちから早めに生前対策を進めることが重要です。

生前対策には、主に①争族対策、②節税対策、③納税資金対策という3つの目的があります。

2.争族対策

被相続人が死亡して相続が開始した場合には、相続人同士で遺産の分割方法を決めることになります。
円満な遺産分割を行うためには、争族対策が重要となります。

(1) 争族対策とは

争族対策とは、相続が開始したときに相続人が適切に遺産を分けることができるようにあらかじめ対策をしておくことをいいます。

争族対策と聞いても「財産が少ないから大丈夫だろう」と思っている人もいるかもしれません。しかし、財産が少ない一般家庭においても相続トラブルは生じていますので、どのような家庭でも争族対策を講じておく必要があるのです。

仲が良かった家族が遺産分割をきっかけに対立が生じて「争族」になってしまうケースも増えてきています。

(2) 争族対策の方法

争族対策で有効な方法が、遺言書を作成するという方法です。

遺言書を作成しておくことで、被相続人の死亡後は遺言書の内容に従った相続が行われることになりますので、相続人同士による遺産分割協議での争いを回避することができます。

また、推定相続人の中に音信不通の人がいる場合にも、遺言書の作成は有効な争族対策となります。

遺産分割協議は相続人全員の合意を得て成立させなければなりませんが、音信不通の相続人がいる場合には遺産分割協議を進めることができません。
遺言書を作成しておくことで、音信不通の相続人を探さなければならないという負担も回避することができます。

遺言書の書き方 [参考記事] 正しい遺言書の書き方|作成のポイントと自筆証書遺言の要件

(3) 争族対策の注意点

遺言書を作成する場合には、相続人の遺留分に配慮をした内容にすることが重要です。

相続人の遺留分を侵害する内容の遺言であっても遺言自体は有効ですが、遺留分を侵害された相続人から他の相続人に対して遺留分侵害額請求をされる可能性があります。

せっかく相続人同士の争いを回避するために遺言書を作成したにもかかわらず、遺言書の内容が原因で相続人同士の争いが生じてしまっては意味がありません。

遺言書を作成する場合には、相続人の遺留分を侵害しないように注意をしましょう。

遺留分とは [参考記事] 遺留分とは|概要と遺留分割合をわかりやすく解説

3.節税対策

遺産が一定金額以上ある場合には、相続税が課税されることになります。相続税が課税される可能性がある場合には、生前の節税対策が重要となります。

(1) 節税対策とは

節税対策とは、相続開始後の相続税の負担をできる限り軽減するための対策のことをいいます。
平成27年の相続税法の改正によって、基礎控除額が引き下げられたため、以前は相続税が課税されなかった人であっても、相続税の課税対象になる場合があります。

相続税の基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」によって計算します。

たとえば、相続人が配偶者と子ども2人という場合には、「3000万円+600万円×3人=4800万円」が基礎控除額になりますので、相続財産の総額が4800万円以内であれば相続税が課税されることはありません。

現時点の推定相続人の数を計算して、基礎控除額を超える財産を持っている場合には、節税対策が必要になります。

(2) 節税対策の方法

節税対策として代表的な方法は、生前贈与を行うという方法です。

将来遺産を相続する予定である推定相続人に対してあらかじめ財産を与えておくことによって、相続開始時の相続財産の総額を減らすことができ、相続税の節税が期待できます。

ただし、生前贈与に対しては贈与税が課税される場合がありますので、何の対策もせずに贈与を行うと、相続税よりも高い税率の贈与税が課税される可能性があります。

生前贈与による節税対策としては、以下の2つが考えられます。

①年間110万円までの贈与

贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの期間に贈与を受けた財産の合計額から110万円の基礎控除額を差し引いた残額に対して課税されます。これを「暦年課税」といいます。

暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の総額が110万円以下であれば、贈与税が課税されることはなく、申告も不要です。そのため、年間110万円の贈与を複数年にわたって繰り返すことによって、贈与税の負担なく相続財産を減少させることが可能になります。

暦年課税による110万円の基礎控除は、贈与を受けた人を基準にしてカウントします。
そのため、推定相続人が複数人いる場合には、それぞれに対して110万円の贈与を繰り返すことで、短期間に相続財産を減少させることが可能になります。

②贈与税の配偶者控除

配偶者控除とは、夫婦間で居住用不動産またはその購入資金の贈与があった場合において、2000万円までが非課税になるという制度のことをいいます。

配偶者は、相続税の配偶者控除によって相続税が課税されないことが多いことから、自宅不動産を贈与したとしても節税対策にはならないとも思えます。

しかし、生前贈与によって相続財産を減らしておくことで、他の相続人の相続税の負担を少なくする効果がありますので、節税対策としては有効な手段となります。

[参考記事] 相続に備えて生前贈与を行うメリット・デメリット

(3) 節税対策の注意点

暦年課税による贈与によって節税対策をする場合には、税務署から定期贈与と判断されて贈与税を課税されないように注意が必要です。

定期贈与と判断された場合には、複数年にわたる贈与の合計額に対して贈与税が課税されることになってしまいます。そのため、贈与の時期や金額をずらして一定にしない、贈与するたびに贈与契約書を作成するなどの工夫が必要になります。

また、3年以内に贈与者が死亡した場合には、死亡から3年以内の贈与については相続税の課税対象になってしまいます。
そのため、暦年課税によって節税対策を考えている場合には、元気なうちから早めに進めていくことが必要です。

[参考記事] 生前贈与と税金|贈与税の計算と控除を活用した節税対策

4.納税資金対策

節税対策をしたとしても相続税が発生する場合には、納税資金対策を行う必要があります。

(1) 納税資金対策とは

納税資金対策とは、相続税が課税される可能性がある場合においてあらかじめ相続税を納める資金を準備するための対策のことをいいます。

相続税の納付については、相続開始後10か月以内に現金一括で納付することが原則とされています。

相続財産の大半が不動産という場合には、高額な相続税が課税される可能性があることに加えて、相続財産から相続税を納めることが難しいという側面があります。

そのため、このような状況に該当する人は、相続人が相続税の納税に困ることのないように納税資金対策を行っておくことが重要です。

(2) 納税資金対策の方法

納税資金対策として代表的な方法は、生命保険を利用する方法です。相続人を保険の受取人とする生命保険に加入しておくことで、相続人が受け取った死亡保険金から相続税の納税を行うことができます。

生命保険の死亡保険金は、受取人が単独で請求することができ、請求から1週間程度で支払われますので、相続税の納税期限までに余裕をもって資金を確保することができます。

[参考記事] 生命保険の活用が相続税対策になる!

(3) 納税資金対策の注意点

民法上は、死亡保険金は相続財産には含まれませんので、遺産分割の対象にはなりません。

しかし、相続税法上はみなし相続財産として相続税の課税対象となる点に注意が必要です。

[参考記事] 生命保険金(死亡保険金)は相続で遺産分割の対象にならない?

ただし、死亡保険金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額は非課税になりますので、現金や預貯金で納税資金を準備するよりもメリットがあるといえます。

5.まとめ

今回解説したとおり、相続争いを回避するためにできる生前対策としてはさまざまなものがあります。

どのような目的で生前対策を行うかを明確にした上で、専門家のサポートを得ながら生前対策を進めていくと良いでしょう。

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