遺産分割に関するよくある質問
夫が亡くなった後、私が受取人になっていた生命保険金を受け取り、夫の勤務先からは退職慰労金が支給されました。これらについても遺産分割の対象となるのでしょうか?また、相続税を支払わなければならないのでしょうか?
被相続人の死をきっかけに受け取った財産が、遺産分割の対象になるかということと、その財産に相続税が課されるかということとは必ずしも連動していませんので注意が必要です。
・生命保険金や退職慰労金が遺産分割の対象となるか?
(1)生命保険金
生命保険金については、受取人が誰であるかによって遺産分割の対象となるか否かが決まります。亡くなった方(被相続人)自身が受取人となっている場合には、保険金受取請求権は被相続人に帰属した後、相続を経て相続人に帰属すると考えられていますので、遺産分割の対象になります。
一方で、被相続人以外の方が受取人として指定されていた場合には、相続を経ずにその受取人が固有の保険金受取請求権を取得することになるので、生命保険金は基本的に遺産分割の対象にはなりません。
ご質問の事例のような場合には、生命保険金は受取人である奥様固有の財産となり、遺産分割の対象にはなりません。
(2)退職慰労金(死亡退職金)
退職慰労金(死亡退職金)については、その法的性質について色々な解釈があるものの、実務上は原則として相続・遺産分割の対象とならず、受け取った方の固有財産となります。
・生命保険金や退職金に相続税が課されるか?
相続税の課される財産は、原則として、民法に従い相続・遺贈によって取得した財産となります。しかし、民法上の相続や遺贈によって取得された財産に分類されるものでなくとも、結果として相続や遺贈によって取得したのと同様の経済的効果があるときには、課税の公平を図るため、「みなし相続財産」として課税対象になるものがあります。
(1)生命保険金
相続人の受け取った生命保険金が相続の対象とならない場合でも、被相続人がその保険料を負担したものに対応する部分については、相続財産とみなされて課税の対象となります。
そのため、質問の事例の場合に、被相続人が保険料を全額負担している場合は、保険金の全額について相続したものとみなされて、課税の対象になります。一方で、被相続人の保険料負担が7割、奥様の保険料負担が3割である場合には、保険金額の7割に限り相続財産とみなされて課税の対象となります。
(2)退職慰労金
被相続人が受け取った退職慰労金については、死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続財産とみなされて課税の対象となります。
以上のように、生命保険金や退職慰労金は課税の対象になる場合がありますが、いずれの場合でも、すべての相続人が受け取った財産の総額が「非課税限度額」を超えない部分については課税されません。
「非課税限度額」は法定相続人の数に500万円を掛けた額となります。例えば、被相続人に配偶者と子が2人ある場合には、法定相続人が3名となりますので、1500万円が非課税限度額となります。そのため、これら3名が受け取った生命保険金の額が1500万円を超えない場合には全額が非課税となり、これを超える場合でも1500万円を超える部分のみが課税対象となります。
・生命保険金や退職慰労金が遺産分割の対象となるか?
(1)生命保険金
生命保険金については、受取人が誰であるかによって遺産分割の対象となるか否かが決まります。亡くなった方(被相続人)自身が受取人となっている場合には、保険金受取請求権は被相続人に帰属した後、相続を経て相続人に帰属すると考えられていますので、遺産分割の対象になります。
一方で、被相続人以外の方が受取人として指定されていた場合には、相続を経ずにその受取人が固有の保険金受取請求権を取得することになるので、生命保険金は基本的に遺産分割の対象にはなりません。
ご質問の事例のような場合には、生命保険金は受取人である奥様固有の財産となり、遺産分割の対象にはなりません。
(2)退職慰労金(死亡退職金)
退職慰労金(死亡退職金)については、その法的性質について色々な解釈があるものの、実務上は原則として相続・遺産分割の対象とならず、受け取った方の固有財産となります。
・生命保険金や退職金に相続税が課されるか?
相続税の課される財産は、原則として、民法に従い相続・遺贈によって取得した財産となります。しかし、民法上の相続や遺贈によって取得された財産に分類されるものでなくとも、結果として相続や遺贈によって取得したのと同様の経済的効果があるときには、課税の公平を図るため、「みなし相続財産」として課税対象になるものがあります。
(1)生命保険金
相続人の受け取った生命保険金が相続の対象とならない場合でも、被相続人がその保険料を負担したものに対応する部分については、相続財産とみなされて課税の対象となります。
そのため、質問の事例の場合に、被相続人が保険料を全額負担している場合は、保険金の全額について相続したものとみなされて、課税の対象になります。一方で、被相続人の保険料負担が7割、奥様の保険料負担が3割である場合には、保険金額の7割に限り相続財産とみなされて課税の対象となります。
(2)退職慰労金
被相続人が受け取った退職慰労金については、死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続財産とみなされて課税の対象となります。
以上のように、生命保険金や退職慰労金は課税の対象になる場合がありますが、いずれの場合でも、すべての相続人が受け取った財産の総額が「非課税限度額」を超えない部分については課税されません。
「非課税限度額」は法定相続人の数に500万円を掛けた額となります。例えば、被相続人に配偶者と子が2人ある場合には、法定相続人が3名となりますので、1500万円が非課税限度額となります。そのため、これら3名が受け取った生命保険金の額が1500万円を超えない場合には全額が非課税となり、これを超える場合でも1500万円を超える部分のみが課税対象となります。
19
23
【電話受付】平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:30