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遺留分侵害額請求に関するよくある質問

Q

遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)の対象となる財産が複数ある場合についての質問です。父は、3年前、妹に対して結婚資金として500万円を贈与し、死亡の2年前には祖母に対して不動産を贈与しました。また、父は預貯金のすべてを内縁の妻に遺贈し、自動車については妹に「相続させる」との遺言をしました。父が死亡したときには、預貯金と自動車の他に財産は有りませんでした。相続人は長男である私と、妹のみです。私は、誰に対して、どのような請求ができるのでしょうか?

A
算定された遺留分の金額に従い、この金額に充つるまで、①内縁の妻に対する遺贈と妹に対する自動車の遺産分割方法の指定、②(父および祖母が贈与当時遺留分権利者に損害を与えることを知っていた場合であれば)祖母に対する不動産の贈与、③妹に対する結婚資金の贈与、の順に財産の取戻し(遺留分侵害額請求)をすることができます(民法1043条、同1044条、同1047条)。
遺留分侵害額請求の順序ですが、遺贈と生前贈与がある場合は、まず遺贈を受けた受遺者に対し遺留分侵害額請求をし、それで満足が受けられない場合は、生前贈与を受けた受贈者に対し遺留分侵害額請求をすることになります(民法1047条1項1号)。遺贈や同時になされた贈与が複数ある場合には、その目的の価額の割合に応じて請求することとなります(民法1047条1項2号)。また、贈与が複数ある場合には、新しい贈与から遺留分侵害額請求の対象になります(民法1047条1項3号)。
今回のケースでは、遺言によって、内縁の妻に対する遺贈がなされるとともに、長女に対して自動車を「相続させる」との遺言がなされています。この「相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)は、遺産分割の指定であるとされ(最判平成3年4月19日民集45巻4号477頁)、遺贈と同順位で遺留分侵害額請求の対象となります。ですので、内縁の妻への遺贈と長女への自動車の遺産分割の指定は、同順位のものとして、その価額の割合に応じて遺留分侵害額請求をすることとなります。もっとも、相続人に対する遺贈が遺留分侵害額請求の対象となる場合においては、遺贈の目的の価額のうち受遺者の遺留分額を超える部分のみが、民法1034条(※改正前の条項。現行民法の1047条1項2号)にいう目的の価額に当たり、「相続させる」旨の遺言の場合も同様です(最判平成10年2月26日民集52巻1号274頁)。自動車を贈与された長女も遺留分権利者ですので、長女に対する「遺贈の価額のうち遺留分を超える部分」と、内縁の妻に対する「遺贈の価額」の割合に応じて遺留分侵害額請求をしなければなりません。例えば、内縁の妻へ遺贈した預貯金が600万円、自動車の相続発生時の評価額が600万円、長男・長女の遺留分がそれぞれ300万円だとすると、長男としては、内縁の妻に対し200万円、長女に対して100万円まで、遺留分侵害額請求をすることができます。
内縁の妻への遺贈、長女への自動車の遺産分割方法の指定について遺留分侵害額請求をしてもなお遺留分が充たされない場合であれば、②祖母への不動産の生前贈与について検討すべきです。もっとも、遺留分侵害額請求の対象となる贈与は、原則として相続開始前1年間になされたものに限られ、例外的に当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与した場合にはそれ以前の贈与も対象となるというように規律されています(民法1044条1項)。そうすると、祖母に対する遺贈は、相続発生の2年前ですので、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたことが必要とされます。このような加害の認識があった場合には、②祖母への遺贈について遺留分侵害額請求をすることができます。
最後に③長女への結婚資金500万円の贈与ですが、これは特別受益にあたり、相続開始の10年以内に贈与されたものですから、遺留分侵害額請求の対象となりえ(民法1044条1項、3項)、上記①②によっても遺留分が充たされない場合には、この贈与について遺留分侵害額請求をすることとなります。
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