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生活保護受給者は相続できる?相続放棄は?相続する際の注意点

生活保護は、基本的に財産を持たず、安定した収入がない方のための制度です。

そこで気になるのは、相続が発生した際に、遺産を取得することはできるかどうかです。

今回は、遺産を取得した受給者は遺産を取得できるのか、その後生活保護を継続できるのか、相続放棄はできるのかなど、生活保護と相続について解説します。

1.生活保護受給者も相続できる

まずは、生活保護受給者が相続することが可能なのかについて解説します。

(1) 生活保護受給者にも相続する権利はある

相続権は民法において相続人に認められている権利です。

欠格や廃除、相続放棄をしない限り、相続人が遺産を承継することは可能です。相続人が生活保護受給者であっても相続できることに変わりありません。

(2) 相続で生活保護受給停止・廃止になる可能性

ただし、相続によって財産を得た場合には、生活保護が受けられなくなる可能性があるため注意しなければなりません。

生活保護法第4条第1項は、生活保護の受給要件について、次のように定めており、遺産があるということはこれを満たさなくなる可能性があるからです。

生活保護法第4条1項
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

しかし、遺産を相続した事実だけが、生活保護に影響するわけではありません。その遺産に財産価値がなく、現金化できないものであったなら、今の生活が改善されることはないため、変わらず受給し続けられる可能性が高いでしょう。

また、生活保護が停止または廃止された後、遺産を使い切って再び生活に困窮した場合には、再度、生活保護の申請をすることになります。

(3) 報告義務を怠った場合

生活保護受給者には、収入や支出など生活保護受給に関することに変動が生じた場合には、その旨を逐一報告する義務があります。遺産を相続した場合も当然報告しなければなりません。しかし、受給停止を恐れて隠す人もいます。

また、相続によって遺産を得られることを知って、生活保護を申請し、受給した場合には、虚偽の申請による不正受給になります。

これらが判明した場合には、速やかに不正受給分の金額を返還しなければなりません。特に、虚偽の申請の場合には生活保護の停止ではなく、即座に廃止されてしまいます。

「相続を隠しておけば、ばれないのでは?」と考えるかもしれません。しかし、死亡届の提出先は役所です。生活保護を管理する福祉事務所は、同じ役所内にあることも多く、相続の発生や固定資産の動きはすぐに把握されるため、隠し通すことは不可能と思っていた方が良いでしょう。

2.生活保護受給者は相続放棄できる?

遺産を相続すると生活保護が停止される可能性があるため、遺産よりも生活保護の方にメリットがある場合は、相続放棄を考える方がいるかもしれません。

果たして、生活保護受給者は相続放棄することができるのでしょうか。

(1) 生活保護受給者は原則として相続放棄できない

前述した通り、生活保護を受給するための要件は、「利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用すること」と定められています。

利用することができる財産があるにも関わらず、それを放棄することは受給要件に該当しなくなるため、原則として生活保護受給者は相続放棄を行うことはできません

ただし、例外があります。

(2) 生活保護受給者が相続放棄できるケース

生活保護受給者は原則として相続放棄することはできませんが、下記のようなケースの場合には、相続放棄できないと受給者の生活がさらに困窮してしまうことになるため、例外として相続放棄することが認められます。

  • マイナス財産がプラスの財産を上回る場合
  • 処分困難な不動産等が含まれる場合

このような理由がある場合にも、相続放棄の是非は生活保護受給者自身で判断してはいけません。まずは福祉事務所に相談し、判断を仰ぎましょう。

また、相続放棄は、次順位の相続人に影響を与えます。生活保護を受給しているというだけで親族からよく思われていないことも多いでしょう。相続トラブルの原因にならないよう、こういった点からも独断は禁物です。

3.生活保護受給者が相続した場合の注意点

最後に、生活保護受給者が相続する際に注意すべき点を解説します。

(1) 遺産相続は福祉事務所等へ届出

前述の通り、遺産相続を相続した場合は、福祉事務所などに届出をしなければなりません。

生活保護法第61条は、「被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。」と規定しており、遺産を相続した場合も当然これに該当することになります。

届出を行わず不正受給と認められた場合、生活保護法78条第1項には、不正受給した金額に最大で40%を上乗せして徴収することができると定められています。

遺産を相続した場合には、速やかに福祉事務所へ届け出ましょう。

(2) 生活保護を受給しながら保有できる財産

遺産の中には、以下の通り、生活保護を受給しながらでも相続できる財産があります。ただし、以下の財産に該当するか否かは、ケースバイケースで判断されるため、相続する前には、必ず福祉事務所に相談しましょう。

少額の財産や生活に必要不可欠な不動産

家具や家財道具など、一時的な収入であると認められる少額の財産や、最低限の生活を維持するために必要な自宅不動産は、生活保護に影響なく相続することができます。

しかし、家屋を2つ以上相続した場合や、資産価値が高く容易に売却できるような不動産を相続した場合には、受給は停止される可能性が高いでしょう。

処分することができない財産

山奥の山林など、市場の需要がなく売ることも処分することも困難な財産については、財産価値がないため、相続しても生活保護受給の要件には影響しません。

収入よりもかかる費用の方が大きい財産

古い家屋など、売却するには多額のリフォーム費用又は取り壊し費用が必要であり、かつ、かかる費用以上の売却代金が見込めない財産については、相続による保有が認められる場合があります。

4.まとめ

生活保護受給者でも遺産を相続することができます。この権利に、生活保護の受給は関係なく、生活保護受給者であっても、他の相続人と同等の権利があります。

ただし、相続する財産の種類によっては生活保護が停止される場合があるため、相続する前に福祉事務所へ相談しましょう。

ただ、1人で話を聞くのは不安、よく分からないという方がいらっしゃるのも当然でしょう。弁護士は福祉事務所への相談に同行することも可能です。一度ご相談されると良いでしょう。

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