50代|男性|会社員
財産を直系血族に相続させるための家族信託
遺産の種類・概要
自宅、預貯金
委託者 |
A(父) |
---|---|
受託者 |
C(長男) |
受益者 |
A |
第二受益者 |
B(後妻) |
信託終了事由 |
A及びBの死亡 |
権利帰属者 |
C |
事案
AさんはBさんと再婚しています。AさんとBさんの間には子どもがいませんが、Aさんと前妻の間には、長男Cさんがいます。Bさんは初婚で子どもはおらず、両親も亡くなっており、年の離れた弟が一人います。
Aさんの資産としては、先祖代々受け継いできた土地建物(自宅)と金銭(預貯金)があります。
Aさんとしては、自分が亡くなった場合には、自宅をBさんに利用させたいが、Bさんが亡くなった後は長男であるCさんに自宅を引き継いでほしいと考えています。
家族信託による解決例
Aさんとしては、自身が亡くなった後もBさんの生存中はBさんが自宅に住み続けられるようにしたいのですが、仮にBさんに自宅を相続させると、 Bさんが亡くなった後、Bさんの推定相続人であるBさんの弟に自宅が相続されてしまう可能性があります(CさんはBさんの推定相続人ではありません)。
Bさんが、Cさんに自宅を遺贈する旨の遺言を遺してくれればCさんに引き継がせることが可能ですが、それはBさんの意向次第ですので、確実にCさんに承継できる保証はありません。
そこで、Aさんを委託者兼受益者、Cさんを受託者、Bさんを第二受益者として、Aさんの有する自宅を信託財産とする信託契約を締結することが考えられます。
Aさんの生存中はAさん自身のために、Aさんが亡くなった後はBさんのために、Cさんに受託者として自宅の管理等を行ってもらい、Bさんが亡くなった後に信託が終了し、残余財産がCさんに帰属するとしておけば、Bさんは亡くなるまで自宅に住み続けることができ、Bさんが亡くなった後は自宅をCさんに引き継がせることができます。